楽園に住む人々

みなはら

- 楽園に住む人々 -



楽園の日々




創作にいそしむ日々





筆を取り、絵を楽しみ、

あるいは文字を書き、想いを馳せて、


悩み、仕上げ、

作り上げた作品を披露ひろうして、

満足な気持ちで、心地よい眠りにつく日々



楽園にはたくさんの人がいる



絵画ではなく、

あるいは彫塑ちょうそ、編み物のような立体的なものを作り出す人たちも住んでいる





平面や立体に想いを映し出したりなどに、様々なものを込めて魅せるように、

二次元、三次元の、目で見てゆく、目に見えるものから、

何かの表現、魂の発露はつろを心に感じさせてゆく創作



小説など文字をつづるもののように、

見えないものを、言葉でしるし、

相手の心へと、それを目に見えるようにを想像させるものを、


文字による想像の世界を、その現実を、相手の心へ垣間見させるような創作



旋律と感情に身をゆだねて、

音階と歌詞に魂を込めて、相手へ心を伝えてゆく創作




いずれにしても、

楽園に住む人々は、

自らの気持ちを、魂を、様々なやり方で綴り、描き、歌い、

何かに刻みながら、

作り上げ、見せ、演技し、それを相手へと伝え続けてゆく




そのために楽しく、


そして苦しい日々、


それでも楽しい日々を過ごしている




ここはそんなところだ








ここは楽園



楽園に住む人々の集いしところ



楽園に住み、


創作を成して、



楽園を訪れる人を、


楽園に住む人を、



その訪れを、


触れ合いを待つ






楽園という名の創作の場




人々は楽園を探し、


そこを訪れ、


そこに住み、


そこを中心よりどころとして世界を回す





ときにそこを離れて、


新たな楽園よりどころを探しに、


その楽園の外へと旅立ってゆく






楽園はここにある



そしてそれは、


そこかしこに隠されている







見渡せば、



いろいろな形で、


様々なところにそれは隠れている





ひっそりと、


静かに、





小さな楽園は、

人々の気持ちの中に、

日々の営みに、



密やかに、想いを紡ぎ出し、


囁き、呟くような、


ささやかな気持ちと共に、



そこにある





人はきっと、


気づかないままに、



その楽園に住んでいるのだろう






楽園にいることを忘れてしまわなければ






そうして、

ずっと楽園に住み続けてゆくのだろう




ずっと、ずっと


はるかさきまで、きっとゆくのだろう





ゆけるのだろう









その楽園を忘れない限りは












忘れないで…








そう祈っています











―蛇足―


先日、たまにおじゃまするギャラリーへと行ってきました。



この世界的な出来事で、他のさまざまな大きな展示施設などと同様に、

そのギャラリーも、この半年ほどお休みしていたのでした。


再開してから初めての展示を覗いてきました。


以前からお気に入りだった人の展示作品を見たり、

そこに居あわせた、面識のあったクリエイターの方、(観に来ていた常連の方や、作品展示者自身の)数人と半年ぶりくらいに会い、少し話をさせていただいたりしました。



知っている人に出会えると、何かほっとしますね。


投稿サイトなどのコメントのやりとりもそうですが、

淡く、浅くだったとしても、

ああして何かを表現して、そうやって成している人々に出会えると、

なんというか、安心します。


心地よさというか、


楽園はまだある。

楽園を信じたい。


そういった気持ちを思い出すのです。



小さな楽園。


小さな創作する人々の集まる場を、

創作する、見守る気持ちを、

忘れて、無くしてしまわないようにしてゆきたいものです。


祈りくらいなんですけどね。

自分にやれることなんて(笑)

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楽園に住む人々 みなはら @minahara

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