解説
どうも、西辻東です。
これを読んでいるということは、全16話をお読みなってくださった方ということでしょうか。あるいははじめに解説を読んでからプロローグを読もうとしている方でしょうか。
後者の場合は、ここで思う存分にネタバレをさせていただきますゆえ、一話のプロローグから読んでくださると幸いです。
前者の場合は、よくぞここまで読んでくださいました。お疲れ様です。そして、ありがとうございます。
ここからわたくしめが、できるだけわかりやすーく説明したいと思う所存であります。
まず、本作品のテーマとは一体何だったのか、と申し上げますと。
『現代日本における教育に対するアンチテーゼ』であります。
個性を潰す現代の教育システムを、高校生という主観から描いた物語です。
わかりにくい?
ええっとですね。
この物語のラストに注目してください。
僕は決められていた「願い」を口にする。
「僕を———男にして」
「よかろう」
これですね。僕を男にしてってことは、これ女なんですよ。つまり、望月詩音という主人公は、本当は男性ではなく女性だった。僕っこです。
まぁ、もう一回注意して読めば、なんとな~く仄めかすようなことを書いている部分があるので、気になった方は探してみてください。
これに着目すると、「僕」という人間は、自身が女性でありながら、男性的な語りをした。
要するに、これも「個性」です。ええ、個性ですとも。
しかし、現代日本はそんな個性は潰してしまいます。(僕も一緒に潰されそうで怖いです)
「神」というのは、上の人間、つまり教育機関そのものの擬人化です。
個性を潰そうと「神」は「僕」に近づいた。
そして、その願いもわかっていた。
結局、主人公は最後、男性になってしまいますから、ただの男性です。これでは個性は失われてしまいました。神さまの言う通りですね。
「味方」についてもそうです。
これは「僕」の個性を丸ごと反映した存在です。ですからあんな個性に溢れる外見をしていたのです。
最後あたりではその姿も失い、個性のないただの女性へと成り下がってしまいました。
「味方」は、「僕」の個性を尊重していたのですね。
とまあ、こんな具合で、この物語は個性を意識して作られております。
そのことを頭に入れて、もう一度読むと、見えるものも変わってくるかもしれません。
初めての解説で拙い箇所があったかと思いますが、これにてお開きとさせていただくでござります。
面白かったら応援・レビューお願いします。
最後に、ここまで読んでくださって本当にありがとうございました。
またどこか、文字の世界で、お会いしましょう
高校三年間、一度も会話をしたことのない僕の話 西辻 東 @128nishinosono
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