2周目『流れ狸は街に流れ着いた』『いにしえのチゴイネルワイゼン』あとレベッカ

※日付変更時にカクヨムにいない可能性があるので先に公開しておきます


https://kakuyomu.jp/works/1177354054935404790


 前話の「アンカーの打ちやすさは名作の証」という話を主にします。前話でもしたので、あらためてという形になりますが。


 投稿された新しいアンカーショット( https://kakuyomu.jp/works/1177354054963561775 せっかくなのでこれも一緒にここでほめちぎります)を読んで、感じたことがあります。


 上手いんですよ。真朱の設定が。


 ここでもうひとつ「レベッカ」の話を持ち出す(詳しくはシェアワールドの項参照)んですけど、あのレベッカという最強&最高の機械仕掛けの魔法少女(二日酔いで吐くし惑星壊すし突然出てきて物語を終わらせはじめる)とは違って、真朱の設定は「かわいい」「ながいき」「たぬき」の、なんというか、筋を通している存在の感じがします。レベッカが終のベクトルを持っているのに対し、真朱は始のベクトルを持っているというか、なんというか。とにかくシンプルなのにごてごてせず、レベッカが最強じゃんと思っていたわたしのシェアキャラクター感が一新されました。


 ついでに殴るんですが『いにしえ』の市長とAIと芸術の設定、素晴らしすぎました。わたしの街の景色のAIはひとりで街を散歩してみたり人間に恋をしたりとかなり芸術の側面にも秀でていたので、逆にAIの芸術の感性と人の芸術の繊細さを明確な差異として描きそれによって真朱の持つ物語のエモーショナルを倍増させる筆致力と構成力には、もう凄いとしか言いようがありません。構成や段組の全てがオリジナリティにあふれていて、そのくせどこかでふれたことのあるような軟らかさも持ち合わせた、最高に良いアンカーショットでした。

 あと、この話は1回通しで全部最後まで読んでから、今度は4、3、2、1という順番で逆に読むと更にエモくなるのでおすすめです。逆順。


 で。真朱の話に戻ります。

 この話に対して真朱がアプローチするというか、レベッカのような爆撃型の主張ではなく、物語における絶妙な膠の役割になるのがなんとも真朱らしいというか、「そこにある」という事実が存在するだけでかなり安定と信頼が置けるというか。


 うわなんかこれどんなにほめてもましゅをさくひんないでざんさつしたにんげんのはつげんになってしまうのがかなしい


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カクヨムバトル24時用、殴るための拳 春嵐 @aiot3110

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