最後まで推しなさい「不純な動機」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054934841847/episodes/1177354054934841975


2次元的な想像を3次元に投影する事への是非(アニメを実写化する的なやつ)への背徳感に後ろめたさを感じつつ、少しずつ詰まってきた距離に動揺してしまう心の動きが最高でした。


この国で推すという行為は意外と神聖性を求めたりする(アイドルに処女性を求める、イケメンに英雄性や附帯する顔以外の精神構造を求める)のですが、それがひっくり返っていて「2次元の妄想そのものが3次元の実体にたいしてもうしわけない」という、なんとも「推し『まぢネ申』側」にまわれない主人公の悲哀。


じゃあどうすればいいかってヒロイン側が「あっ、彼氏待ってるから。じゃあね?」って言うとか、あるいはその逆で主人公に「こんなんだから彼女にもどやされるんだよなあ」って言えば全部物語として閉じた輪になるので、そういう妄想もありかなと思いました。推しは推しで、それとは別に恋人がいて、んで、推しとは別に異性の友達がいて、という。


なんかこう考えると一気に現代の子供っぽくなるような感じがします。


サイバー空間の発生前後の人間関係の変化的な。もしかしたら、「不純な動機」もそれに起因してたりして。いまの彼女からこちらに乗り換える的な。


それだと辻褄が合っていて(他の彼女との付き合いが離れた上で単純接触効果?の発生度合いが増しているのかも)なかなか面白いですこれ。


リアルな女子と殆ど会話したことがないのも何話せばいいのか分からないのも「もともと恋人がいたから」と考えればすっきり筋が通りますし、そもそも推しと恋人が同一化される事自体初めてだとすれば、「推しとはまるで違う恋人がいて、疎遠」という流れにも充分納得が行くというか、その上での「不純な動機」だとしたら。

もう、考え込まれてて素晴らしいです。これ初読では全然気付けませんでした。


(これ興奮して長々とほめちぎってしまったのですが違っていたらどうしよう)

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