「かぎをしめろってんだよ、かぎを。ふたりしてめろめろになりやがって」


「ねえ。はやくあそびにいこうぜ?」


「おままごとしよう?」


「まあまあ。まてって。あしたになったらかあちゃんのきおくがもどって、そのままべっどいんのよていなんだ。ふとんとってこないといけないから」


「ふとん?」


「きおく?」


「さきにこうえんいってな。おとこはじゃんぐるじむ、おんなはすなばでおままごとだ」


「うん」


「わかった」


「よしいけ。ごーごーごー」


「わああああ」


「ふう。がきのおもりも、らくじゃないぜ」


 がちゃり。


「おっ。かあちゃんのやつ、くいいじはってあさめしぜんぶくったな。よしよし」


 しょっきをかたづけておく。


「ぼくのこんしんのあさめしだからな。しっかりくって、しっかりでーとしろよ」


 れいぞうこ。かきおきがある。


「あ?」


 あける。


 でざーと。すごくたかい、もんぶらん。


「ふたりから、あいするむすこへ、ひごろのかんしゃをこめて、だって?」


 ふあんていだけど、どこかあんていしているかたちだから、もんぶらんをえらんだだろ。てきとうだな。ちくしょう。


 うれしくて、なみだがでてきたけど、なかないようにちゅういした。いまなくと、こうえんいったときに、めがあかくなってしまう。


「くそっ。うまいなあ」


 もんぶらんは、あまくて、どこかにがいあじがした。これが、おとなのうまみか。このにがみ。うまい。とってもうまい。


「しかたねえな。ふとんだけじゃなくて、よるごはんもつくってやるか」

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ラヴ・ラグランジュ 2-29. 春嵐 @aiot3110

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