青空

第1話

９月２０日

空の日

空は繋がっている

世界中のどことでも・・・

海もつながっているが、迂回しないといけないところもある

空にはそれが、必要ない

空さへ飛べれば、いつだって行ける

国境とかが、なければの話だが・・・

「そう思う？」

声がする

君は、渡り鳥？

それに蝶に、トンボ・・・

そういえば、海を越える生物もいたな・・・

「僕たちは自由には飛べないんだよ」

そうなの？

「うん。僕たちは本能で飛んでいて、自分の意思とは無関係なんだ。

だから飛べはするが、自由ではないんだ」

そう思うと、逆に不自由かもしれない。

「人間の世界には、名言があるよね？」

どんな名言だろう？

「雲の上はいつも青空」

聞いたことがある。

たしか、若草物語の・・・

「僕たちからすれば、君たち人間・・・いいや、地上を生活の場としている、

全ての動物がうらやましい」

どうして？

「飛ばなくてすむものなら、飛びたくない」

隣の花は赤いか・・・

「実際には飛べなくても、君の心の中には、君だけの青空がある。

その青空を君の翼で羽ばたいて・・・」

僕の翼？

「空は繋がっている。君の心の空も、誰かの空と繋がっている。だから・・・」

だから？

「君は、１人じゃない。誰かが見ていてくれる」

夢を見ていた。

不思議な夢を。

空を飛んでいた。

どこまでも、飛んで行ける気がした・・・

そして、地上にはあの子が手を振っていた。

笑顔で微笑んでいる。

下りてみよう。

今、僕の心は少し開かれた。