第8話 注釈資料
注釈資料
グレタ・トゥーンペリ:(スエーデン2003年~)母親は著名なオペラ歌手、父親も俳優という家庭に育つ。両親に対しても、環境保護の観点から、菜食主義になることや、飛行機に搭乗しないこと等のライフスタイルの変化を要求したという。その徹底振りに感心すると同時に、しっかりした娘を持つのも大変だと思った次第。
経済成長:全く成長していないのではない、1994年 501兆5千億円⇒2019年557兆7千億円。年率1%程の成長はしている(名目GDP)。この間GDPは、中国は17倍、アメリカは3倍になっている。
家計・実質賃金・内部留保:直近4年間平均で実質賃金は4%減である。企業の内部留保金は1990年代後半には130兆円程度だったのに、2018年度には463兆円と3.6倍に膨れ上がっている。
訪日外国人の倍増⇒インバウンド効果:安倍首相の在任中 1兆5千億⇒4兆5千億と貢献し、初めて経常収支のサービス収支が黒字化した。円安効果で、アベノミクスで唯一の成功例と言っていい。それでも差し引きがあるのでサービス収支の黒字幅は1千2百億程度である。
大前研一:経営コンサルタント、マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長。落選したが東京都知事にも立候補。
女性の活用:革新的な例として服飾の世界ではシャネルや川久保玲を取り上げたが、政治の世界でも女性は立派にやっていけている。古くはサッチャー、現在ではメルケル、コロナ禍で女を上げたアーダーン・ニュージランド首相がこれを証明している。フランス革命はパリの女将さん達が先頭に立ってバスティーユに押しかけたところから始まった。真に革新的なのはむしろ女性である。
女性議員比率、ドイツ31.6%、日本14.4%147位。クオータ制発祥国ノルウエーでは公的部門だけでなく企業に於いても取締役の40%を義務付けている。
日本の高度成長、石油について:戦前の一番の産油国はアメリカであった。戦後経済成長の過程でアメリカは石油の輸入国に転じた。中東の石油が1バーレル1ドル(オイルショック以前の価格)とする。アメリカ産の石油は3ドル。輸入・国産比率が半々として、アメリカは国内石油産業も保護しなければならないから、調達コストは1バーレル2ドルになる。日本は1ドル、産出するより買いまくる方が有利になったのである。
品質管理:昭和50年にアメリカから、品質管理の第一人者たるW・エドワード・デミング博士を招き、統計的品質管理を学んだ。日本がこの分野で成功したのは、特定の専門家がおこなうだけではなく、実際に製品を作っている現場での「QCサークル活動(小集団活動)」に落としこんだことであった。このための指導には、長い時間と根気が必要であった。これには日本の終身雇用制や日本式経営の企業風土が役立った。バブル崩壊以降、日本式経営は全て古いものとして否定されていったが、非正規雇用の拡大が良いとは決して思えない。
新自由主義:自己責任を基本に「小さな政府」を推進し、均衡財政、福祉・公共サービスなどの縮小、公営事業の民営化、グローバル化を前提とした経済政策、規制緩和による競争促進、労働者保護廃止(派遣労働制度)などの経済政策の体系。競争志向を正統化するための市場原理主義からなる。日本では小泉構造改革内閣がその典型であった。
「小さな政府」、現金給付しなければならないような今回のコロナ禍でそんなものは吹っ飛んでしまった。経済連もコロナ後の経済政策として『持続可能な資本主義』を掲げ、貧困の撲滅や気候変動対策など、企業が社会的な課題を解決することで収益をあげ、存続、発展していくことを経営の根幹に据えるとした。成長、競争一辺倒の新自由主義路線の見直しと捉えたい。
P.F.ドラッカー:(1909年~ 2005年米国)1973年の著書「マネジメント」で初めてこの言葉が使われ、「マネジメントの父」と称される。欧米だけでなく日本でも多くの経営者に影響を与えた。
成長戦略の小皿メニュー:第1次安倍内閣「成長力加速プラン」、福田内閣「経済成長戦略」、麻生内閣「未来開拓戦略」、鳩山内閣「新成長戦略~輝きのある日本へ」、菅内閣「新成長戦略~『元気な日本』復活のシナリオ」、野田内閣「日本再生戦略」、第2次安倍内閣「日本再興戦略」のもと出て来たのが「アベノミクス」である。ともかく成長と戦略が大好きなのである。
川久保玲:(1942年~)慶應義塾大学文学部哲学科を卒業後、株式会社旭化成宣伝部に入社。3年で退職し、フリーランスのスタイリストとなる。1969年にファッションブランド「コムデギャルソン」(仏:少年のように)を立ち上げる。1981年パリコレに初参加、直線的でノンセクシャルなコレクションは注目を集めた。82年、パリコレで伝説とされる「黒服、穴あきニット」は「黒の衝撃」と呼称され、「西洋の服への冒涜!」とする否定派と「新しい女性の生き方」とする賛成派で、世界中のファッション・ジャーナリストを賑わせた。
金融の暴走、リーマンショック:金融制度は重要な社会的共通資本と言える。そういう観点から色んな規制があった。それを新自由主義の考えから、もっと自由にと規制を撤廃していった結果があのリーマンショックである。アメリカに於いても、新たな規制が加えられるようになった。
小国人口:アイスランド(39万人)ルクセンブルク(61)は例外特殊性として、500~1000万単位の中に経済的に豊かな国が存在している。九州の人口は1400万人でGDPでもオランダ(1700万人)とよく比較される。かつては九州の方が上に存在した。
日本経済連の2018年の提言、はじめにの文。
少子化・高齢化が急速に進み人口減少が現実のものとなる中で、わが国の地域経済・社会はさまざまな面で厳しい状況に直面している。加えて東京への過度な一極集中は、大規模地震災害等に対するリスクを増大させている。このままでは各地域が産業、伝統、文化、人材を活かせないまま衰退する一方、東京一極集中のリスクにも対応できないという、脆弱な社会構造、国土構造のもと、激化するグローバル競争に遅れをとり、国際的な地位の低下を余儀なくされるという事態も想定される。こうした状況のなかで日本経団連は、将来に向けたグランドデザインとして、道州制の導入を通じた分権型国家の構築と広域経済圏の形成を提案している(略)。
道州制政策論議:「民に出来ることは民」「地方に出来ることは地方」、聖域なき構造改革を掲げた小泉内閣は2003年、「道州制導入の検討」を指示、06年地方制度調査会が「道州制導入が適当」と提言した。しかし、抵抗勢力排除として衆院を解散してしてまで行ったのは「郵政民営化」であった。今、民営化の現状を見るとき、小泉改革のスケールの程が分かろうというものである。自民党をぶっ潰すとは云えても、霞が関をぶっ潰すとは言えなかった。
人口と食糧問題:1945年時点の世界人口は25億、現在は77憶人、2050年の97億人までは増え続けるとされる。75年間の間に実に3倍、これを養って来たのだから地球も大変。今後の人口増にも対応出来るとされているが、異常気象による干ばつ、土壌侵食、食糧輸出国の偏在(アメリカに偏っている)等の問題が指摘されている。
アフガンの二人の医師
https://kakuyomu.jp/works/1177354054896057475/episodes/1177354054896458198
亡くなられた中村哲医師とアフガニスタン生まれで、日本の地域医療に貢献しているレシャード・カレッド医師の二人を取り上げた。NHKインタビュー記録 http://h-kishi.sakura.ne.jp/kokoro-617.htm
定常型社会:広井良典『定常型社会―新しい「豊かさ」の構想』(岩波新書)、定常型社会には次の3つの意味があるとする。①物質・エネルギー消費が一定となる社会、②経済成長を基本的価値・目標としない社会、③は変化しないものにも価値があることを認める社会である。成長型社会は産業革命以降の250年ほど、300年に満たない。人類の長い歴史では定常型社会が普通であったとする。
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