第3話


サオリから学校に来なさいと言われてから数時間後、ピンポンとインターホンが鳴った。

・・・来たのか。


「どちら様で。」

「来ちゃった。」


インターホンの画面にはそれはそれは可愛い女の子がお目見えしていた。

顔はまつ毛が整えてあり、目はくりっと丸い、肌はキメ細やか、唇は何か塗ってあるかのように厚くぷりっと。

テレビに出たら美少女と言ってもいいくらいなこの人が中本サオリ。

てか数時間で行ける距離なのかよ・・・。


「そこはあれよ、近くだったのよ?」

「お前よ、心を読むな?」


とりあえず上がらせて、リビングに案内し、適当にお茶を用意した。


「ふぅ・・・、たまにはこのお茶も悪くないわね」


こんな美少女がうっとりとしている・・・、並の男なら惚れていたね、惚れてまうやろ〜と。

だがしかし、俺はサオリの幼なじみだ。

そう簡単に・・・。


「さて、レイ?これが私が通ってる学校のパンフレットよ?」

「唐突にだすな、俺も久しぶりにあってドキマギしたわ。」

「あら、自分磨きはしていたけど、いい気持ちね。」


何がいい気持ちねだ何が、ってこのパンフレット・・・?


「んー?聖シラサギ女学院・・・?ってここ女子校だろ!」


しかも結構なお嬢様校として有名でここを入学出来たら人生が変わると言われているぞ。

ただどうして男の俺に・・・?


「そうね、去年まではの話ね・・・。」

「去年までの・・・?それってどうゆうこと?」


サオリはもう一度お茶を飲んでふと、深呼吸した。

重い話か?と俺も気持ちを引き締めた。


「実はあの学院・・・、退学者が多くなっていて、状況をみた理事長が共学化を薦めてきたの。

もちろん教員の中には反対者もいたわ、でも賛成意見の多さに圧倒されちゃってね?」

「それでやむなく、今年から共学化って言うことか・・・。」


どこも学校も人員不足は避けられないってか・・・。


「でもね、この方法をしてまでレイを転校させないわ?実は私、いいもの見ちゃったし。」

「は?」


とてつもなく嫌な予感がする、そうこれは前にイタズラする時の前触れというか、何か思いついた時の顔をしている。


「前々から私、準備の為にレイの家を探して見つけていたの。そしてちょっと興味本位でカメラとか仕掛けていたの。」

「それ、犯罪じゃねぇーか。」

「話を遮らないでちょうだい。」


幼なじみが犯罪に手を染めていたなんて、俺は悲しいぞ。

でもどこに・・・?一体いつから・・・?


「でね、今日私連絡しようと思ったのは朝に見たあなたの姿よ?私もびっくりしたわ。」

「おい、まさかあれは現実だったのか?」


汗がダラダラして心臓がバクバクしてきた、あれが本物だとしてどうして俺に・・・?


「レイ・・・?あなた・・・、いえどうしてのかしら?」


へ?って?

サオリがいつの間にか鏡を用意してくれたようだ、俺は息を飲み込み、鏡を覗き込んだ。


「・・・っ!!?」


そこにいたのは俺ではないサオリに劣らないほどの美少女が驚いた顔で覗き込んでいた。

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俺は女になって人生が変わると思わない! キリイオ @kiriio-novel

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