ハイジのブランコ


遠く見える緑の草原に

天から降りる一筋の線

 

スキップで近づくとそれは二筋のロープ


一枚の板が空中に浮いていた


見上げるとロープは

青空にどこまでも続いていた 


天空からぶら下がる木製の板

 

これはもしかして ハイジのブランコ

 

アニメ「アルプスの少女ハイジ」の

オープニングを思い浮かべた

 

偶然にもわたしは赤いワンピースを着ていた


ブランコの椅子に座ってみた


わたしが空中に浮いている

不思議な感覚だった 

 

ブランコに乗って

大きく揺れる自分の姿を想像した


空まで上がると青い鳥とたわむ

ものすごい勢いで風を切り  

空に飛び出す自分の姿を想像した


スカートが全開になるのを心配した

でもよかった

だってハイジのブランコだから

 

雲まで届いて空気が薄くなるのを心配した

でもよかった

だってハイジのブランコだから

 

一度揺れてみよう

  

わたしは足に力を込めて

ブランコをこぎ出した

 

しかし木製の板がその場で

うねうね動くだけで全く揺れなかった

 

ロープが長すぎる

 

何度試みても

その場でただうねうね動くだけたった

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