第38話 37.秋天にDJの"Have a Nice Day!"

ワード37は『DJ』

 無茶振りかとも思ったが、案外作りやすかった。『DJ』は、職業名であり、その職業をしている人であり、身近であり、四音である。カリカチュライズしやすい分、安易にいじってしまいがちだが、『DJ』に知り合いもないし、楽しく作れればよいというスタンスなので、気にしない。

 僕たちの時代の『DJ』は、ラジオパーソナリティのことで、クラブなんかでターンテーブルを操る人のことは、あまりよく分からない。だから、メインとなるのは「深夜ラジオのディスクジョッキー」だ。 

 車で待機しているとき、いつも自分の車というわけではないので音楽よりもラジオという選択をすることが多いし、交通情報やニュースをリアルタイムで聞いておきたい場面も多々ある。目が奪われないのが有難いし、眠くなるのを防止してくれる。一人でいることが多いせいか、誰かの声を聞いていたいという欲求は、他人よりも強いようである。もっとも、今回作った俳句に、そういう情感はこめられていない。また、ふと、そんな『DJ』俳句が作れればよいがと、思うばかりである。

 さて、俳句だ。


 DJの滑舌確か冬を待つ

 DJのしやつくり止まず十二月

 DJ今夏をヘビーローテーション

 DJの和製英語の爽やかに

 秋暁のDJあくびしてくさめ

 秋の声DJ息を継ぐ間もなし

 DJの深夜ラジオのサングラス


 そして表題句

秋天にDJの"Have a Nice Day!"

 今回はこれで。



 

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