第5話
話は少し変わって彼らの元へ
「なぁ航真、お前ほんと進路どうすんの?」
と、突然さっきもどっちかが言ったようなことを
ぽつりと口にした
「考えてはいるんだけど
やっぱりこう、なんて言うの?これだ!
っていうやつがなかなか無くて全然決まらん」
「やっぱりみんなそんなもんなのかなぁ」
「逆に悟は決まってんの?何やりたいかとか」
「そりゃ決まってらァ!彼女作って
キャッキャウフフするんでぇ!」
「は?なにいって、違うよ?そうじゃないよ?」
「ま、冗談は置いといて
フツーに何も考えてない」
冗談てノリノリだったじゃないか
「あ、そう…悟でも決まってないのか…
あー、ホントどうしたらいいのやらだなぁ」
「ま、慌てないでもゆっくり決まるべよ
今は今できることを精一杯やるだけだろ。」
「まぁ、確かにそうなんだけども
今やることってなんだ…?」
「はぁ、俺の親友はそんなことも分からんのか…
そんなん、せっかく高校生だぞ?
悔いのないように毎日をしっかり過ごすんだよ
そして今焼いているホタテを食う、おk?」
「途中まで真面目だったのに…
は?ホタテ?いつの間に?!」
「さっき頼んだよ?まぁ
お前はぼーっとしてて気がついてなかったけど」
「いや確かにぼーっとはしてたけども!
そんな長いこと考え事なんかしてないぞ……」
事実としてそうだった、1分も満たない短い時間
完全にあたりの音を
シャットアウトしたつもりもないのに……
「そら、焼けたぞ食え食え!熱いうちになぁ」
「ありがとう、いただきますよ」
「あいよ、うーーん!んほほほほい!
うんめぇぇ……あーこれ反則だわ……!」
「はしゃぎすぎじゃない?悟、少しうるさいぞ
他にもお客さんいるんだから」
「おっと、それはまずい…
すみません…すみません…
だが航真これはうめぇぜ!食わねぇと損だわ!」
「そんなに美味っあっちぃ!」
「あ、熱いから気を付けろよ?火傷したら
大変だからな、冷ます時は覚ませよ〜」
「な、なぁ…悟……遅いよ……遅せぇよ……」
「そんな時にこれだ、ホレ
超特大コーラフロート〜〜」
「これ頼んでよかったな…バニラアイスで
口が一気に冷える…ああぁぁ〜
冷たいのと熱いのが口の中で絡み合うの最高…」
「新しい食べ方発見だな!」
キンキンに冷えたコーラフロートと
グツグツに熱いホタテのハーモニー
さいっっっこうだぁぁぁぁあ!と心の中で
叫びながら
航真と悟の2人が楽しんでいる時
ふと横から声がかけられた
「グツグツは煮込みもんに
使う言葉だろ少年たちよ」
「「んっ?」」
「いや、ん?じゃなくてな、
ホタテにグツグツなんて表現しないと思うがな?」
的確に突っ込まれた
心の中をスっと見透かされた
2人は目を丸くして声の方を向く
そこにはスーツを着た男性が2人席にいた
空は青く水は透ける 一条 遼 @DAIFK
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