ホワイトハウスは燃えているか
1978年2月8日 ニューヨーク
ズダダダ
「敵兵が多すぎて突破が出来ません!至急増援を!」
「了解。現在、ワールドトレードセンターで戦っている部隊を一部そちらに回す。それでいいな?」
「はい。」
ズドーン
「ん?なんだ?…何!トレードセンターが崩れ落ちただと!?」
「ということは、支援は…」
「当分無理だ。きついとは思うが頑張ってくれ。」
「クソッ!全部隊に告ぐ。タイムズスクエアに退却せよ。繰り返す。タイムズスクエアに退却せよ。」
エンパイア・ステート・ビルディング付近
ズドーン
「ウォラ!さっさと死ねや!資本主義の犬どもが!」
「死ぬのがおめえらだ!クソコミーめ!」
前線の音のほとんどは罵倒と銃撃であった。
「ヒャッハー!砲兵部隊の出番だぜ!敵部隊と、ついでにエンパイアステートビルを爆破するぞ!」
ドカーン
ドカーン
砲撃はエンパイアステートビルの60階部分に命中。ビルはそこから真っ二つに折れる形で崩壊。また、この崩壊にアメリカ軍のニューヨーク防衛部隊の隊長が巻き込まれ、そのまま死亡した。司令官を失ったアメリカ軍は散り散りになって後方へ撤退した。
その後、フィラデルフィアの防衛線で2か月もの間粘ったアメリカ軍であったが、後方のデルマーバ半島にフランス軍が上陸すると、包囲を恐れて、撤退を開始。そして、第五インターナショナル軍はそれを追いかけ、5月19日、ワシントン攻防戦が始まった。アメリカ軍は徹底した防衛線を張り、第五インターナショナル軍を苦しめたが、彼らは防衛線を一つ一つ突破。ホワイトハウスに迫った。そして、遂にホワイトハウス内にフランス軍が侵入。一つ一つの部屋を占領し、掲げられていた星条旗は燃やされた。そして、代わりに掲げられたフランス・コミューンの国旗がはためいていた。
フランス軍は血眼になって大統領を探していたが、既に5月5日の時点でワシントン市外に出ていたことが判明。そこで、一部部隊にワシントン市内の掃討戦を任せ、残りの部隊で周辺に侵攻した。
ワシントンでは民間人がレジスタンスとして活動し、第五インターナショナル軍を度々脅かしていたが、レジスタンスが拠点にしていた場所を特定。その場所はFBIの本部であった。第五インターナショナル軍は陸と空の二方向から攻撃を開始。直ぐに本部は崩壊を開始。そして、土煙が舞う中、フランス軍が突撃し、レジスタンス部隊を指揮する隊長を捕らえた。これを境にニューヨークにおけるレジスタンスの活動はほとんどなくなった。背後の安全が確認された今、目標はただ一つ。それは、合衆国の息の根を止めることであった。一方、大統領やアメリカ軍・合衆国に忠誠を誓う民間人はデンバーに集結し、そこで、徹底抗戦を表明。上海条約機構と第五インターナショナルはデンバー目指して進撃を開始した。
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