北独戦役
1975年12月24日 ヴェーザー川西岸 フランス軍 後方司令部
「…はあ。戦場でクリスマスを祝うの、これで何回目になるのか。」
「…早く終わらせて家に帰りたい…」
兵士たちがそんな雑談をしていると、突然集合が掛けられた。
「何なんだ一体…」
「取り敢えず早く行こうぜ。遅れたら何されるかわからないし。」
…一分後…
「……みんな集まってくれたようだね。さて、いいニュースが飛び込んできた。」
「いいニュース…?」
「上海条約機構軍がドイツを分断した。」
「おお!」
歓喜が一斉に沸く。
「そこで、我々も、侵攻を再開する。半年ぐらい戦線動いていなかったしな。いい加減ドイツを始末したい。有り得ないとは思うが、くれぐれもデンマークのようにならないでくれ。」
「オー!オー!」
ヴェーザー川全体にフランス軍の叫びがこだました。
1976年1月11日 ドイツ軍前線司令部 ブレーメン大学 校内
「フランス軍総勢18万!突撃してきます!」
「何!正気か!ここブレーメンには25万もいるんだぞ!しかも、川を挟んでいるんだぞ!誤報ではないのか!?」
「いえ…真実のようです。」
「…取り敢えず25万人中23万人を前線に配備しろ。2万は敵強襲に備えて後方に配備だ。」
最前線
ズダダダダダダ
パーン!
「グワァ!」
「隊長!しっかrウッ!」
前線は地獄が広がっていた。川は死体で埋め尽くされ、その屍の上で銃を撃ち合う。元戦友の上で。元敵の上で。そして、自分も友軍と敵の歩道となる。もともとの川は赤く染まり、腐った死体には蚊がたかった。その蚊も流れ弾で死んでいく。ブレーメンは悪臭に包まれた。やがて、戦場は川だった場所から陸地に移る。両軍の戦闘に巻き込まれたブレーメン中央駅は駅舎が原形を留めていない状態になり、崩壊に巻き込まれた電車は潰れた。そして、敵司令部のあるブレーメン大学も一棟一棟が完全に破壊され、司令官は死亡。ブレーメンの戦いでの両軍の死者数は26万人を超えた。これは終戦後にドイツ本土戦で2番目に激しい戦いとして記録されることになった。また、その他のヴェーザー川戦線もフランス軍が勝利。包囲を恐れたバイエルン方面軍は最前線の味方を見捨ててザクセンに撤退。最早自国の防衛すらできないドイツ軍は後退に後退を続けた。2月15日にはエルベ川にフランス軍が到達。首都防衛の時間稼ぎがしたいドイツ軍は激しい抵抗を見せ、2週間の足止めに成功する。だが、3月2日に遂に崩壊。フランス軍総勢60万がベルリンを目指して進撃を開始。そして、3月8日。ベルリン攻防戦が始まる。
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