自由フランスの裏工作
1977年3月30日 自由フランス領 某村
村の会議室で村長と第五インターナショナルの代表は話し合っていた。
「…つまり、私たちが一斉蜂起すればいいんですね?」
「その通りだ。奴らが前線で戦っているときに、後ろから突くんだ。報酬はお前たちの国を作る。分かったな?」
「ああ。承知した。」
「それでは、よろしく頼む。」
1977年5月11日 自由フランス 対ナイル戦線
フュー
チュドーン
「敵部隊の抵抗が激しすぎます!」
「落ち着け。後方の部隊がこっちに向かってきている。彼らが加われば、突破できる。」
しかし、その望みは直ぐに消えてしまう…
「申し上げます!原住民が一斉に武装蜂起!援軍は望めません!」
「クソッ!こんな時に!全軍、現前線を放棄!後方へ退却する!」
これにより、自由フランスは前線が大幅に後退。ンジャメナが包囲され、そこに逃げ込んだフランス軍主力18万が降伏し、自由フランスは降伏寸前の状態に陥った。
1977年6月19日 自由フランス 首都ヤウンデ 閣議会場
「……陸軍大臣、戦況を教えてくれ。」
「はい。5月11日に発生した原住民の一斉蜂起により、前線が崩壊。そのままナイル軍がなだれ込み、各地でわが軍が殲滅され、一昨日にはンジャメナで主力部隊が撃滅されました。」
「……もう、終わりなのか?」
「いや、まだギアナが残っている。」
「確かに、残っているが、そこまでたどり着くには制海権などの問題があるぞ。」
「大丈夫です。私にお任せを…」
1977年6月22日 パラグアイ 対伯国境付近
「ここでいいな?」
「ああ。そこだ。それでは、これでやってくれ。」
「分かった。」
スタタタ
ガチャ
カチッ
「設置完了!」
「了解。戻ってくれ。」
ズドーン
「よし。任務完了。これより帰還する!」
翌日 パラグアイ 国会
「卑劣なブラジルは我々の土地で爆弾を爆発させた!これは決して許されざる行為だ!」
「「そうだそうだ!」」
「議長!ご判断を!」
「うむ。ブラジルに宣戦布告することを可決する!」
ズドーン
ズドーン
1977年6月24日、パラグアイはブラジルに対して2日前の国境部での爆破事件を理由に宣戦布告。ブラジル政府は否定したが、パラグアイ世論は反伯一色。パラグアイ国民にはもう何を言っても無駄である。同日、同盟国のボリビア・ペルーが参戦。また、フランス・コミューンがパラグアイ支援を表明。これを受け、ブラジルは自由連合に加盟。これにより、大西洋にブラジル海軍が出撃。一時的に自由連合が制海権を奪還。この隙に自由フランス首脳部はリーブルヴィルから輸送船を出港。ギアナに向かって逃亡を始めた。自由フランスの逃亡により、南部ががら空きになった独領西アフリカと伊領北アフリカではナイル軍と第五インターナショナル軍の侵攻と原住民の一斉蜂起、更に、モロッコの攻撃により、完全に崩壊。その年のうちにほとんどの部隊が殲滅された。
1977年7月3日 大西洋 某海域
「うまくいったな。」
「ああ。まさかあんな計画が成功するとは。」
「ははは。アフリカに残っている味方には悪いが、私たちは安全な場所に行くとするか。」
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