最終決戦に向けて
バトル・オブ・ブリテン
1976年3月28日 イギリス連合領 インヴァネス近郊の海岸
「全軍上陸開始!!アカ共を皆殺しにしろ!!」
その掛け声と共にカナダ軍が一斉に陸地に上がる。イギリス軍はこれに対処するが、大敗し、インヴァネスは陥落。放棄された武器を鹵獲したカナダ軍は南進を続ける。
同日 イギリス連合領 ロンドン 軍総司令部
「カナダ軍が上陸だと!?いったいどこから…」
「インヴァネス近郊です!」
「この前奴らが奇襲したところか…もうすぐ復興も終わりそうだったのに…余計なことをしてくれる…」
軍上層部は大慌てであった。やがて、空軍と海軍の対立が始まる。
「第一、海軍がしっかり制海権を取らないからこうなるんだ!」
「はあ?お前ら空軍が制空権喪失しなきゃ、こっちだってちゃんととれたんだ!」
「「ああ?」」
「まあ、まあ、二人とも、落ち着k」
「「クソ雑魚陸軍は黙っていろ!」」
「え、酷くね?」
そんなことをしているとき、突然、ドアが開けられる。
「どうした?」
「じ、実は…
アイルランドが我が国に宣戦布告!既にスコットランド南西部に上陸しています!」
「何だと!」
「最近なんか怪しいと思ったらやっぱり攻めてきやがったが!」
「取り敢えず、イングランドへの侵入を阻止する。」
その後のイギリス軍の激しい抵抗でカナダ軍およびアイルランド軍はスコットランドから出ることはできなかった。しかし、日に日に攻勢は激しさを増していき、崩壊寸前に陥った。また、イングランド・ウェールズの都市でも連日のように爆撃がされ、瓦礫と化した。だが、それで黙っていられないイギリス連合は敵後方拠点を奇襲する計画に出た。
1976年7月13日 早朝 グリーンランド ヌーク
「ん…朝…か…」
彼が起き上がりカーテンを開けると、その目線の先には青いはずの海が黒かった。だが、彼はこれを海洋汚染と捉えて、いつものように仕事に出かけてしまう。
「敵兵見えず。やはり、スコットランドに集中させていたな。」
「ああ。それでは、これより、ヌーク攻撃を開始する。いいか、決して民間人には攻撃するな。湾港部にだけ攻撃しろ。」
「主砲・副砲てぇー!」
ズドーン ズドーン
「直撃弾2、至近弾4、その他全部外れ…っち。装填!終わり次第撃て!」
ズドーン ズドーン
二回の砲撃により、ヌーク湾の湾港機能はほぼ喪失。同日にアングマクシャリクへの攻撃もされ、グリーンランドの湾港機能はほぼ全滅。大西洋を渡るルートでしか補給が出来なくなった。その大西洋も制海権がイギリス連合に握られているため、スコットランドの部隊は徐々に物資が欠乏。8月5日には全軍がオークニー諸島に撤退。残るアイルランドはあらゆる工場が徹底的に破壊しつくされ、生産能力を完全に喪失。そして、18日の一斉上陸により、アイルランドは降伏した。
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