瓦礫の街・ナポリ
1975年4月19日 午前6時頃 イスキア島
ナポリ湾に浮かぶこの島はナポリ防衛の要所であった。その為、イスキア島には巨大な要塞が造られていた。また、ナポリ湾に浮かぶ別の島々と鎖と繫がれ、海上からの攻撃は万全なものであった。また、陸上でも何重にも及ぶ塹壕とその先にある巨大要塞がナポリを守っており、難攻不落であった。
「うーん、今日も異常なし!」
「ローマからナポリ救援のための軍が向かっているらしいから、この生活ももうすぐ終わるかもな。」
しかし、彼らの人生はこの後すぐに終わってしまうことになる。
「ん?なんだ?あの大量のミサイル?北西から発射されていると思うんだが…」
「北西は敵フランスの本土。まさかここを狙って……」
兵士がその言葉を言い終える前にそのミサイル群は着弾した。まだ対空設備が整っていなかったため、ミサイルを撃ち落とせず、イスキア島は焦土と化した。その後、フランス陸軍1個師団がイスキア島に上陸し、無血占領した。その後、フランス軍は鎖に沿って進軍し、ナポリに上陸。イタリア軍はこれへの対処のために、既存の陸上戦線から2個師団を引き抜いて上陸部隊を封じ込めに向かわせた。しかし、フランス軍はその隙に大攻勢を行い、イタリア軍の防衛線を破壊。30万近い軍勢が一斉にナポリ市街に侵入する。ナポリ民兵とイタリア軍が共同で防衛を行うも、ナポリはどんどん侵食されていく。
1975年4月19日 夕方 ナポリ中央駅駅前広場
ズダ―ンズダ―ン
ナポリではフランス軍の絨毯爆撃、激しい戦闘、イタリア海軍の艦砲射撃で瓦礫だらけになった。イタリア軍は必死の抵抗を見せたが、フランス軍に押されて、遂にナポリ中央駅にまで追い込まれた。イタリア軍は最後の抵抗を見せ、フランス軍をナポリ中央駅構内に入らせなかった。しかし、日が沈むと、イタリア軍の絶対防衛線は崩壊し、フランス軍が津波の様にナポリ中央駅に押し入った。イタリア軍は壊滅し、ナポリ湾に停泊していた戦艦に乗り込み、ナポリを脱出した。戦いが終わった後のナポリは血の海に瓦礫が浮かんでいた。その後、フランス軍はナポリ救援軍を撃破。また、23日にはフランス軍はローマを占領。イタリア政府は降伏したが、徹底抗戦を唱える派閥はアフリカへ亡命。また、ドイツ国境に近い部隊もドイツ軍と共闘する姿勢を取った。
1975年4月30日 パリ フランス軍総司令部
「例の作戦の準備が完了しました!」
「そうか。それでは全軍に伝えよ。グランド・アルメ作戦を発令せよ!と。」
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