イタリア電撃戦

1975年1月25日、フランス軍はイタリア領内への侵攻を開始。イタリア軍はアルプス山脈を利用して、必死の防戦を行うが、フランス軍の圧倒的な火力に敵わず、中央突破され、2月22日に対仏戦司令部のあるトリノが陥落。平原に出たフランス軍は約一万両の戦車と約2万機の爆撃機をトリノから出撃。一点集中で戦線を突破し、3月1日にパルマを占領。ミラノもしくはジェノヴァへの攻撃を想定していたイタリア軍はこれに対処できず、5日にボローニャ、7日にアドリア海沿いの町ラベンナを占領され、イタリア北方軍集団と主力部隊が分断された。また、この頃にはコルシカ島とサルデーニャ島はフランス軍が占領した。

 その後、フランス軍はナポリの占領を目標に定め、アドリア海海沿いを走り抜ける。3月10日にアンコーナ、17日にペスカーラが占領されると、イタリア軍は目標がナポリだと確信し、ナポリに大規模な要塞化工事を行わせた。また、ナポリ湾の島々とイタリア本土を鎖で封鎖し、海からではナポリ湾に入れないようにした。更に、コンスタンティノープルの二の舞にならないように、山越えされると思われるところには兵力を集中させた。そして、20日、フランス軍がナポリに到達し、一斉に攻撃を開始した。だが、イタリア軍の強大な要塞線に跳ね返されてしまった。更に、フランス軍にローマ方面から主力部隊がナポリ救援に向かっているとの情報が出た。何としてでも奴らが到着する前にナポリを落とさなければそう考えたフランス軍は作戦会議を開いた。

 

 1975年4月18日 23時頃ナポリ近郊 フランス軍ナポリ攻略部隊野営地

 「まずは戦力の確認だ。わが方は戦車約5500両と歩兵3万。そして、爆撃機50機。対して敵は歩兵3万5000と戦艦エミリアを旗艦とする第3艦隊。」

 「偵察部隊からの情報によると、敵支援部隊はナポリまで残り約100キロのテッラチナに到達したとのこと。ナポリ到達予想時期まで残り4日。それまでにここを攻略しなければならない。」

 「何かいい案があるものは手を挙げろ。」

 だが、だれも手をあげることはなかった。一人を除いて。

 「ん?なんだ?いい案があるのか?」

 「はい。これを使えばナポリは我が物になります。」

 「そうか。それでは説明してくれ。」

 「はい。まず、ナポリ湾上に浮かぶイスキア島を集中攻撃します。占領したら、ナポリ湾を封鎖している鎖の上を歩き、プローチダ島、トッレガヴェダという風にイタリア本土へ上陸します。後は、内外の攻撃でナポリを落とします。いかがでしょうか。」

 「うーむ、一見狂ったように見えるが……やってみないと結果は分からない。よし、ナポリ攻略作戦はその案を採用する!開始は翌朝、日の出と同時に行う!」

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