第21話 2人のこの世界での職

雷鼓のオムライスを作り終わり、目の前に出したところで大沼は口を開き

「では…このミックスフライ定食を…」と言いながらメニューに書いてあるとあるメニューにも目が行っている。その姿を見て私は「…なんならミックスフライ定食にハンバーグをつけることも出来るぞ」と言う、すると大沼はではお願いします、と言った為、私は了解した、と言い、調理に取り掛かる。

オムライス同様ミックスフライもハンバーグも専門店が出すような特別な調理等はしない。が材料等にはこだわっているし基本に忠実に調理を行うように心掛けている。

まずミックスフライだが私は白身魚、エビ、貝の3種類を使うようにしている、今日は白身魚では型が良く、脂も適度に乗っているスズキがあがっていたので今日の白身魚フライはスズキを使用する、3枚に下ろしておいたスズキの半身を取り出し、腹骨をすきとる、そして血合い骨を取るために腹側と背側のふたつに切り分け、血合い部と共に血合い骨を取り除く。そして皮ごと腹側、背側共に切り身に切りつけ、塩コショウで下味をつけておく。そして卵、小麦粉を混ぜたバッター液にくぐらせ、生パン粉をつける。パン粉をつければあとは揚げるだけのため、次はエビの下ごしらえを行う、今日使うのは車海老の仲間と思われる、そのためミックスフライ定食に使うエビは握った際に頭の先としっぽの先が出る程度のサイズ、およそ12、3cmほどのものを使用する。もちろんエビフライ定食もあるがそのエビとは違う。そのため今回は殻とともにエビの頭を外し背わたをとる。そして同じく塩コショウで下味をつけたらバッター液にくぐらせ、生パン粉をつけておく。そして最後の貝だがほぼホタテを使用しているが牡蠣のいいものが出回っていればカキフライにしている。今回はホタテだ、それもかなり良いサイズであり、普段ならホタテのフライは3つ付けているが今日はふたつで充分であろうサイズだ。そのホタテだがまず平らな方を上に向け、手に持つ、そして貝殻の隙間にナイフを刺しこみ、貝柱を切り離す。切り離せたら貝が開き始めるので手で開ききり、下側の貝柱も切り離す。そして貝殻から完全に切り離せた貝柱、ヒモ、ウロを取り、フライに使う貝柱のみをバッター液、そしてパン粉の順につけていく。

フライの準備が出来たので私は特注で作らせた揚げ鍋にサラダ油を注ぐ、そして火にかける。油の温度が180から190℃になったところで揚げていく、全て刺身で食せるほどの鮮度のため完全に火を通すのではなく、中心部が若干レア気味になるように揚げ、油をきる。

ハンバーグだがパティは毎晩床に就く前に作っているため基本を焼くだけだ、これにも特に変わったところはないが私の好みで玉ねぎが多めであり、玉ねぎ全体の半分はかなり粗めのみじん切りにしてある。そしてソースだがパティを焼いたあとの肉汁や脂を赤ワインで延ばし、ソースとケチャップを少量加える。

フライ、そしてハンバーグが出来たので盛りつけに入る。大きめの皿に用意し、奥へ千切りキャベツで山を作る、その山に沿うようにフライを置いていく。そしてハンバーグを置き、ソースをかける。

私は出来上がったミックスフライ定食を大沼の前に置き、待たせたな、と言う。大沼はちゃんとした料理を食べるのには待つのは当たり前です。と返す

大沼が食べ始めるとユキが「そういえば…お2人はこれからどうするんですか?」と言うと大沼は「どうする、とは具体的にはどのようなことですか?」と問う。それに対し「宿とか…仕事とか、です」と言うと大沼は「確かに…すぐに帰れる保証はありませんもんね」と言うとアリアが目を覚ましたようで店に顔を出した、するとユウが何か良いことを思いついたような顔をし「ギルドで働けばどうですか?」と言った。続けて「ギルドでしたら宿も紹介できるでしょうし仕事も選べます」と言う、大沼はそれに対し「…例えばどのような仕事があるんですか?」という質問に対しアリアは「盗賊団の殲滅やモンスターの討伐などが花形と言う者もいますが他にも商人が隣町へ行くのに護衛として雇ったり貴族相手の護身術、剣術指南等もありますね」と言うと大沼は「…でしたらギルド、というところにお世話になりましょうか、ねぇ雷鼓君」と言うと雷鼓は「うん!!楽しそうだね!!」とオムライスを頬張りながら答えた。

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RPG喫茶 ジン @jin_kisaragi

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