十九 浦島太郎の元ネタ!? 山幸彦神と海幸彦神 後編

【神武天皇誕生】

 ヤマサチビコが約束を破ったので、怒ったトヨタマヒメは海へと帰ってしまいました。

 しかし、地上に置いてきたウガヤフキアエズが心配で、自分の妹である玉依姫神たまよりひめのかみに子供の面倒を見てもらうように、お願いします。

 また、タマヨリヒメに『ヤマサチビコ、貴方の事を愛しています byトヨタマヒメ』という伝言をたくしました。


 伝言を聞いたヤマサチビコ『生きている限り、貴女の事は忘れない byヤマサチビコ』という返事をタマヨリヒメに託します。


 ヤマサチビコとトヨタマヒメは再会する事はなかったものの、海の世界と陸を行き来するタマヨリヒメに、伝言をたくすという形で関係は続きました。

 男神はすぐに浮気に走りますが、ヤマサチビコは日本神話には珍しくトヨタマヒメだけを愛し、一途な恋を貫いた神様です。


 さて、母の妹のタマヨリヒメに育てられたウガヤフキアエズはすくすくと育ちます。 

 ウガヤフキアエズが大人になると、育ての親であるトヨタマヒメにプロポーズしたのです。

 タマヨリヒメはウガヤフキアエズのプロポーズを受け入れ、夫婦になりました。

 そして、この二神の間に五神の子供が生まれるのですが、末っ子の神倭伊波礼毘古命かむやまといわれびこのみことが、神武天皇となるのです。


 ヤマサチビコ、ウミサチビコ、トヨタマヒメの神話はとても長かったですね。要点だけお話したのですが、三話分も使ってしまいましたw


 この神話に関してはこちらに詳しく書いてあるので、是非ご覧ください。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891983864/episodes/1177354054892640510




【強力な縁結びのご利益】

 さて、ヤマサチビコは兄の大切な釣り針をなくし、ワタツミの宮殿で暮らし、帰ってきたら兄を呪ったうえに、水で溺れさせて従者にするという、理不尽な事をしました。


 しかし浮気などは一切せずトヨタマヒメとの愛を貫いたので、ヤマサチビコとトヨタマヒメを祭る宮城県の青島神社では、恋愛成就と夫婦円満のご利益があるとされています。

 しかも、他の神社とは比べ物にならないくらい、強力な恋愛成就と夫婦円満にご利益があるとされています。


 青島神社は小さな島で、その中心に神社がります。現代では本土と橋で繋がっており、誰でも簡単に島に入る事が出来ますが、かつては島そのものが神聖な地とされていたので、江戸時代までは簡単に立ち入る事のできない、禁足地とされていました(田心姫神を祭る沖ノ島ににていますね)。


 また、地理的に南にあるので島全体が亜熱帯植物の群生地となっており、国の特別天然記念物に指定されており、境内は南国の雰囲気が漂っています。


 恋人に巡り会いたい方だけでなく、運命の人と巡りあい永遠の愛を願いたい方は、参拝してみてはどうでしょうか?


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る