五、トラブルメーカーの神様 須佐之男神~前編~

【高天原の問題児】

 今までスサノオの娘を紹介してきましたが、今回は稲荷神や宗像三女神のお父さんのお話をしていきます。


 古事記ではスサノオは、伊邪那岐神いざなぎのかみが最後に産んだ神様です。


 その性格は多彩な性格をしています。


 高天原にいるときは駄々っ子で暴れん坊でした。

 スサノオの暴れん坊っぷりが原因で、アマテラスが天の岩戸という洞窟に籠ってしまう、『岩戸隠れ』という事件も起きたので、日本神話のトラブルメーカーと言っていいでしょう。

 しかし地上に降りると性格が一変し、怪物のヤマタノオロチを倒すヒーローになります。 

 

 また、日本神話一のプレイボーイであるオオクニヌシほどではありませんが、スサノオも色々な女神と関係を持ち、ウカノミタマや須世理姫神すせりびめのかみなど、たくさんの子供を造っています。

 ヒーローでもありながら、問題児でもあるスサノオがどんな神様なのか見ていきましょう。



【問題児から英雄へ】

 スサノオは父のイザナギに海の世界を任されました。

 しかし……

「お母さんに会いたい! (。´Д⊂)ピエーン 」

 このようにスサノオは、ただ泣きわめいてばかりいました。


 ただ駄々をこねるだけならいいのですが、スサノオは神様なので泣き声が海と共鳴し、荒れ狂いました。

 それをイザナギに怒られて、スサノオは地上へと追放される事になりましたが、これは宗像三女神の時に話したので割愛させていただきます。


 さて、ただ挨拶しにきただけなのに、アマテラスは武装して迎え撃とうとしてきたので、スサノオは怒り、高天原で暴れまわります。

 スサノオが暴れ、気を病んでしまったアマテラスは天の岩戸という洞窟に引きこもってしまう、『岩戸隠れ』という事件が起きました。

 太陽を司るアマテラスが隠れてしまい、日の光が消えてしまったので、さあ大変! 

作物が育たないだけでなく、悪霊が悪さするようになります。


 そこで高天原の神々は協力しあい、なんとかアマテラスを岩戸から出す事に成功しました。

 そして全ての責任はスサノオにあると言って、地上に追放したのです。


 地上に追放されたスサノオが歩いていると、泣いている家族を見つけました。

 何故泣いているのかスサノオが事情を聞くと、「ヤマタノオロチという怪物が現れて、毎年娘を食べてしまうのです。私達の子供も、櫛名田姫くしなだひめだけとなりました」との事。


 そんなクシナダは美しい乙女で、スサノオは一目惚れします。

「ヤマタノオロチは俺が倒すから、その代わりにクシナダを嫁にする」

 スサノオはそう言いました。

 それを了承したクシナダと両親は、ヤマタノオロチ退治をお願いします。


 そして、スサノオはヤマタノオロチに酒を飲ませ、酔いつぶれている間に首を斬り退治したのです。

 するとヤマタノオロチの体内から一本の剣が見つかりました。


 その剣に天叢雲剣あめのむらくものつるぎと名付け、今までの無礼を詫びると共にアマテラスに献上して、和解しました。


 こうして姉と仲直りもして、ヤマタノオロチを倒したスサノオは、クシナダと結婚して、末長く暮らしました……

 という、ディ○ニー映画のようなハッピーエンドにならないのが、日本神話です。


 この後、スサノオは様々な女神と関係を結んでいきます。


 スサノオの神話はこちらに楽しく書いてあるので、是非読んで見てください↓

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891983864/episodes/1177354054892238077

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