夢
煙が上がる。
はぜる音。
冬を越す為の木炭は、ここで腐臭を伴い消費される。
ねちゃねちゃと泥濘んだ地面に穴が掘られる。
スコップの先が何かに当たる。
燃え残った頭蓋骨。
未だ中途半端に筋肉が残っている。
蠢く蟲と共に。
上から黒い人形が落ちてくる。
どさどさと。
数え切れない。
手が虚空に伸ばされる。
上から液状の何かが撒かれる。
「エイメン」
松明が放り込まれる。
燃える。
燃える。
人の影。
この下の土の下にも骸。
燃える骸。
骸と土塊。
全ては塵に。
土から来たのだから。
「あの女が居たぞ!」
「うちの子を返して!」
「こんな偽物をつかませやがって!」
「何が薬草だ!」
「お前がこの災厄を呼んだのだろう!?」
「人が苦しむのがそんなに楽しいか!?」
「お高くとまって見下しやがって!」
「前々からおかしいと思っていたのよ!」
「ウチの畑を呪ったでしょ!」
無数に伸びる手。
無数の棘。
放たれる炎。
「止めろ!彼女は違う!」
跳ね起きた額には、拭った筈の脂汗がべったりとついていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます