第2話 今日も彼女と青春を謳歌する
この状態に入った各務は、急激に甘えん坊になるか、イタリア辺りの別荘に引きこもってしまう。
そうなった陽菜もかわいいのだが、元の状態に戻さなくてはならない。
「じゃあ、一緒にお風呂に入るか?」とまず提案してみる。ここで反応がなければ、かなりお怒りということになるのだが…
「………」陽菜がなんも反応しないだと…
どうしよう。あっ、また一線超えちゃう???
ちょっとオーラを出してみよう。
えっと、全身に漲る力みたいなものを巡らせて、陽菜さんを肉食獣が向ける目をして見る。
すると…
「ちょっ」おっ陽菜が反応した。
「なんでそんなオーラ出すのよ。」
おっと陽菜選手、戸惑い始めています。
この攻撃は効果的だったのでしょうか。
この時点で、菅原 翔選手の勝利が確定しました。
「そんなオーラ出したら、襲いたくなっちゃうじゃない。」
「そんなことないけどな」と陽菜が虚勢を張っていたから、ただしてあげよう。
「ところで、いつみんなには、私たちが付き合ってることをばらすのよ。」
急に陽菜さんが話題を変えてきた。
劣勢になったら、すぐに切り替えるこの天才。
「そうだな。来月に夏祭りがあるから、その時自然にバレようか。」
と提案してみた。俺の予想では、その時が一番反感を買われないのである。
「嫌だ。」あれ?各務陽菜さんが拒否したぞ‼
「え?夏祭りの時が最善策であることはわかるよな?」と聞いてみる。
「いや。キミは、来月にある行事を忘れてはいないかね。」
ウザイ教授モードに突入した陽菜さんが言った。そして気が付いた。
「文化祭か‼‼‼」
「そうよ。でも惜しいわね。私が狙うのは、文化祭の後にある
告白祭よ」
「そこで、わたしが告白するの。あなたに」
「そして、あなたは、キリっと『いいよ』って言うのよ。」
「その後に、みんなの前で、キスするの。」
あれ?俺の間違いでなければ、この作戦って陽菜さんの願望ではないのですか?
説明しよう。
告白祭とは、女子が男子に告白する行事である。
ちなみに、告白祭は2度あり、2回目は体育大会の後にある。
この行事は、進学校のこの高校にしては、上出来な事業である。
「そのときに、陽菜さんが告ると」と確認してみる。
「ええ、そうよ。いつまでもこの関係は嫌だもの。」
「でも、7か月しかたってないぞ。」とおちょくってみる。
「でも、女の子にも独占欲はあるのよ。」
そんなこと初耳だ。
「そうなのか?」
「そうよ。だって、あなたがほかの女の子と喋っているとムズムズするんだもの。」
にしても、この女の子(陽菜)は、本当にMirrorのじきCEOなのだろうか?
この親は、ライバル会社であるうち(Dude Field)のCEO(俺)と付き合っていて、将来的に結婚したいと言っても、すぐOKと言ってしまうのだから、どう考えても親失格だよな。
どうせ、俺を手玉に取って、Dude Fieldを乗っ取るつもりなのだろう。しかしそうはさせない。こんな事態に備えて、秘書室の人員は、徹底的に教育したからな。
逆にMirrorを乗っ取てしまおうではないか。
クックックック
あの親は、時運の娘をモノとしか認識していない。
「あんな親滅びてしまえ」と無意識に悪い顔をして言ってしまった。
すると、陽菜がのぞき込んで言った。
「どうしたの翔くん?」すると、陽菜のいい匂いが目の前にあったので…
幼馴染な彼女が可愛すぎる 端山 伊紀 @iki-hayama
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