零下賞・お勧め作品賞、受賞おめでとうございます。
零下さんのコメントから、気になって読みに来ました。
零下さんが「一つの世界を創造した、創造主」とおっしゃった意味が分かったような気がします。
名前もないクラスメートの一人になって、この出来事を一緒に体験したような気分になりました。
迫力に圧倒されました。
作者からの返信
返信が遅れて申し訳ありません。零下賞の後こんなにも多くの方に評価をしていただき正直驚いています。
昔から物語の中に読み手の入れる場所がある小説というのは一度作ってみたいと思っていました。それは小学校の時周りと折り合わず侮辱され、からかわれ、暴力で反抗してただひたすらに立ち向かっていた自分に逃げ場を与えられる文学になるのではないかとも考えていました。
勿論第三者の目になってそこに自分はいなかったとしても感動できる物語は沢山あると思います。けれどこのページを開くだけで日常の心配事や悩み事を一時の間忘れ去ってしまえるような。それは大袈裟かもしれなくてもそんなような文学を目指していきたいです。
ですから今こうして月ノ瀬さんのように物語の一部になってロビンソンを見届けてくださった方が現れてくれたことは本当に嬉しく思います。
最後になりますがこの作品に巡り会い、読んでくださりありがとうございます。月ノ瀬さんの元にもどこからともなくロビンソンがやってくることを心から願っています。
森久上水。
不思議な物語。
ネタバレしちゃうから書けないけど、本当に不思議。
面白かったです(〃'▽'〃)
現代ものなのに、まるで童話の様な読後感。とても綺麗な世界ですね。
作者からの返信
「むかし誰かから聞いた話を読んでいるような錯覚を起こさせる文体、というのは、私が求めてるものなんです。(中略)歴史的、時間的な積み重ねを経ながら、繰り返しいろんな世代にわたって読み継がれ、誰が書いたかなんてこともだんだんわからなくなって、最後に言葉だけが残る。たとえ本というものが風化して消えていっても、耳の奥で言葉だけが響いている。そんな残り方が私の理想です」
これは小説家の小川洋子さんの短編集「海」の文庫版に記載されていたインタビューの一部です。小川さんはそれこそ日本と海外が混同してまるで国という存在が生まれないまま社会ができているような世界を描いている短編集が多いのですが、この作品の残し方は私の目指す一部でもあります。
もっと具体的に言えば自分の生涯よりも長く作品に生きていて欲しいのです。これはあくまでも私の考えの一部ですが私自身も森久上水という大きな長編物語の一つの登場人物でその役割として周囲にある森久上水という物語を構成している世界や人々を描いていっているのだと思います。だからたとえ私が死んでも、物語は個々に別れて読み手の頭の中に残っていく。やがて数年後、数十年後、そのバラバラになった短編はまたどこかで語り継がれて森久上水の短編という形じゃなくても物語は続いていく。
そんな作品をいつも目指しています。ですからそのような心の残り方をしていただけるとこんなに嬉しいことはありません。
最後になりますが読んでいただきありがとうございました。貴方の元にもロビンソンが訪れることを心より願っています。
森久上水。