「馬車馬」

 暖かい日差しが窓から指す電車の中、僕は椅子に座って微睡んでいた。


 何の気もない朝。仕事休みでゆったりとした休日を過ごしていた。


 車内は混雑しており、ほとんどの客は吊り革を掴みながら、窮屈そうな表情を浮かべていた。


 まるで自分だけこの監獄のような車内から切り離されているような感覚だ。


 次の駅に着いた時、凄まじい数の人が降りていった。


 乗客の多さに床が揺れている。あまりの数に、降りた後すぐ出発しそうなほどに人の多さに目を見開く。


 そして、穴埋めのように次の乗客が乗り込み始めた。


 このドアの開閉に自分の生活の手綱をにぎられていると考えてると何とも嫌な気になる。


 しかし、それでも多くの人がからだにむちをうちながら進んでいるのだ。


 サラリーマン。学生。皆同じだ。


  目的の駅に着いた時、僕は降りた。体を巡る解放感を覚えながら、僕は改札に向かった。


 

 

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