「冬の社会」
肌寒さを覚えながら、僕は電車に揺られていた。冬は嫌いだ。寒い。寒い。寒い。
どれだけクリスマスや正月なんでイベントが盛り沢山でも寒さという一つの概念で相殺される。
いっそ熊になりたい。人間と同じ雑食で強いし、何と冬眠が出来る。拍手喝采ものだ。
電車が次の駅で止まると扉が開いた。人が入ると共に冷たい風も入り込んできた。
サラリーマン。老人。女子高生。幅広い世代が身を震わせてながら、車両に入り込んでくる。
空きっぱなしの電車の扉から入る外気が冷たい。
つま先から徐々に冷えていく感覚に冬独特の不快感を覚える。
扉が閉まる直前、風が吹いてドア付近立っていた女子高生のスカートが揺れた。
ああ、冬も悪くない。
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