「居酒屋にて」
店内のブラウン管から流れる歌謡曲。その近くでは歌謡曲に合わせて,陽気に歌う男性とビールを飲んでいる男性。
二人とも顔を赤くして心底嬉しそうな笑みを浮かべている。
いつかは僕もこうなるのだろうか。僕が今聴いている曲も彼らにとっての歌謡曲になり,またその時の若者に不思議そうな目を向けられる。
ビールを口にしながら,脳裏にそんな思考が浮かんだ。
こう言う場所に来ている時点でその可能性はゼロではない。
ひとしきり酔うと会計を済まして,外に出た。
気分が高揚としているのか、不意に歌を口ずさんだ。
小さいが確かに僕はあの赤い顔で陽気に歌う男性達の元へ一歩ずつ近づいているのが分かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます