「万歳 ヘンテコ」
箱に入る前、僕はどんな形をしていただろう。三角? 丸? 四角? 僕だけじゃない。みんなが違う形だったのは確かだ。
でも箱で過ごしていくうちに職人の手によりみんな、形が同じになっていった。一人でも違ったり、行動がおかしければ白い目で見られたり、迫害を受けたりした。
何故、周りと一緒じゃなければダメなんだろう。何故、みんなそれに同調しているんだろう。
そんな事を思いながら、ここで過ごし続けた。月日が流れて、ついに旅立つ時がきたのだ。
やっと箱の外に出られる。胸を高鳴らせながら、外の世界に出た。
外の世界は箱だらけだった。
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