創作ノート⑤ 「ナンナーク」他、アジアの怪談
東南アジア系ファンタジーを書くために、アジア系の人に会う度にお国のお化け話を聞きまくってます。
タイの方に会った時に真っ先に教えてもらったのが、「ナンナーク」、あるいは「プラカノンのメーナーク」と呼ばれる怪談。(何でもタイ人の間の知名度100パーセントだそうで……)
物語はの主人公達はタイの田舎に住む新婚ホヤホヤのマークとナークという二人。マークはある日徴兵されて戦争へ。マークの子を身ごもったナークは寂しい思いをしつつ夫の帰りを待ちます。やがて兵役から戻ったマークを迎える、生まれたばかりの赤子を抱いたナーク。二人に再び平穏な日々が戻るのですが……。
やがてマークは、妻の様子がおかしい事に気付きます。そしてある日、近隣の人からとんでもない事を聞くのです。マークよ、ナークはお前の出征中に難産によりとっくに死んでいる。お前が一緒に暮らしているのはナークの幽霊だ、と。
驚いたマークはお坊さんに相談します。一方、マークに対し未練を持つナークの幽霊は、マークと引き離そうとする近隣の人々に怒って、村に次々と災いを引き起こします……。
「何か、聞いたことあるような話だ」、と思った方もいるかもしれません。私はこれを聞いて、『雨月物語』の中の『浅茅が宿』という話によく似てるなあ~、と思いました。そしてアジア圏の文化のつながりを感じたんですね。
もっともタイではこれ「実話」とされてるそうなんですが。『メナムの残照』と同様、何度も映画化された、まさに国民的怪談(?)で、最近では『愛しのゴースト』なんていうコメディ版まで出来ちゃってます!
他にタイの知人から聞いたのは、「グラスウ」という妖怪ですが(ネットでは「ガスー」などと紹介されてます)どうも東南アジア圏に広く生息している模様。これが、内臓を首からぶら下げたまま頭部だけで飛び回るという何ともオドロオドロしい妖怪です。あの水木しげるは「マレーシアの妖怪」としてこれを紹介していました。あまりにもインパクトが強いので、『アジェンナ国物語』にもご登場願いました!
タイの有名なお化けを教えてくれたFさん、ありがとう!
それからインドのCさんに聞いた話。今、インドでは廃屋探索して幽霊が映り込んだ画像や音声をテレビ局に売るのが流行っているんだそうな。「あなたは幽霊に会った事ある?」って聞いたら「まだ無い」と残念そうな返事が。「でも、実際に会ったら怖くて逃げちゃうよね」って聞くと、「幽霊に会ったら絶対走って逃げたりしちゃいけない! あっという間に飛びかかってきて取りつかれるから!」と……。聞いていた日本人全員、「熊かよー!!」と突っ込み入れてました……。
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