こういう対峙を見ると、まだまだヒサリ先生は「小娘」であるという感じですね。高校を出た直後みたいな人ですもんね…。
物事を変えるときはゆっくりじゃないと、ひずみが生まれて大きな反動を産む事もあります。バダルカタイ先生の言葉はヒサリ先生には受け入れがたいかもですが、焦ってはいけないのだろうなと思いました。
ただ子供達の道だけはまっすぐに指し示し続けて欲しいなあと…。
ここまですごく感情移入して読んでしまうのは、本当にありそうな世界観と、いそうに思える人物像とその心と性格の描写によるものですね。うーんすごい。
作者からの返信
MACK様、「本当にありそうな世界観」と言っていただいてありがとうございます!
MACK様が現実社会に対する問題意識を作品に投影されていらっしゃるように、私も、たとえファンタジー作品でも私達の生きる世界とリンクした物語を書きたいと思っています。
私は、物語の登場人物は誰一人完璧ではなく、情熱や思いはあっても間違いや失敗を犯す……という風に書こうと思いました。
ヒサリに反発する子も出てくるのですが、彼女のまっすぐな思いは子ども達に影響を与え続けます!
実はヒサリ先生の姿勢に帝国主義(啓蒙のイデオロギー)がちらついて少し鼻につくなあと感じていましたし、それは彼女の立場や育った環境からすれば自然なことでもあるので、それを表現する文章力がすごいなあと感心しつつ読みすすめておりました。
そしてそれが原因で何か起きるだろうとはおもっていましたが、やはり、ここに来て古強者からカウンターパンチo(・_・)○☆
バダルカタイ先生の思想はもちろん支持できるものではありませんが、筋は通っていますし気持ちはわからなくもありません。彼はそうやって生きてきたし、ある意味最も現実を知る人なのだなあと思いました。
でも現実を丸呑みしてるだけじゃ理想には近付けませんから!
ヒサリ先生がんばれー!
作者からの返信
相馬 みずき様、ありがとうございます!
そうですね。ヒサリ先生はやはり支配者側の人間なんで、どうしてもその視点から物事を見てしまいます。バダルカタイ先生も、彼なりの立場がある……。生徒達は、様々な価値観に触れつつ、それぞれの道を模索していきます。
植民地で教育を受けた子が宗主国といかに対峙していったか、歴史の本などで探りながら書いていますね。
編集済
光明皇后のように振る舞っても、それが褒め称えられるとは限らないという、何という皮肉。
もうこれ坂本龍馬でも連れてこないと無理なんじゃと思うくらいの意識の隔絶。
果たしてヒサリはこの世を今一度洗濯(龍馬の名言より)できるのでしょうか……。
面白かったです。
ではではノシ
作者からの返信
光明皇后……私は介護職なんですが、一時期訪問入浴の仕事をしていた時、会社の研修で「日本の福祉の歴史」とかの話があって、光明皇后の名前出て来ましたね~。
うーん、坂本龍馬とこの小説がコラボしたらどんな感じになるのだろう!??
ぜひ生徒のうちの誰かに、龍馬みたいに成長してほしいですね!
校正の方もありがとうございます!
あの子に水浴びをさせることはおよしなさい。イボイボの肌をきれいな水で洗うと切り裂かれるように痛いのです。
↑
バダルカタイ先生がヒサリに言ったこの言葉、特に印象に残りました。
これは、マル自身にとって本当のことなのでしょうか?
それとも、ヒサリ先生が自分と同じアジェンナ人のマルを必要以上にかまわないで欲しいから言った言葉なのでしょうか?
作者からの返信
憮然野郎様、丁寧に読んでいただいてありがとうございます!
「切り裂かれるように痛い」は少々大げさですが、ろくに体を洗う習慣の無い彼にとって、慣れない事は不快感を伴う事は間違いありません。
バダルカタイ先生も、「よそから来た者がこの国の生活に余計な干渉をするな」と暗に牽制している……という感じですね!
こんにちは。
いいお話でしたね。ヒサリの理想も美しいと思いますが、年古ったバダルカタイ先生の見る現実、それにマルやナティの反応が、ものごとはそんな単純ではないと教えてくれるようです。
それでも目の前の子供たちを見ると、幸せな道を歩めるように、手を伸べずにはいられないんでしょうね。
向上心とプライドとコンプレックスを併せ持ったダビも、いいなあ、と思います。
作者からの返信
久里琳様、ありがとうございます!書くにあたって植民地支配や途上国の開発援助に関する本などを読み、立場によって様々な考えがあり、何が正義か一概には決めかねると感じました。その中で、子ども達がそれぞれ自分なりの正しさを選んでいく様を描きたいです。久里琳様の描く中南米の歴史なども学んで参考にしたいですね!
バダルカタイ先生、おっしゃることは至極真っ当で正しいのですが、なんだかやるせない気持ちになりますね。
ヒサリ先生はまだ若いですし、立場も異なれば見えているものも違う。
そしてマルくんのイボイボ。たしかに、見目が麗しい子どもは誘拐されたり犯罪に遭いやすいですし、身体を洗うことが日常ではない子どもにとっては、無理に水浴びをさせることは苦痛になるかもしれませんね。
作者からの返信
朝倉様、ありがとうございます!
理想を持って突っ走りがちなヒサリ先生と、長年地域に根ざしてこの地の社会をじっくり見てきたバダルカタイ先生とは立場、考え方がだいぶ違います。
マルは人なつこく好奇心旺盛で怪しい人にもすぐついて行っちゃうような子だから、イボイボのおかげで救われてる面もあります。そして見た目が醜くても愛情をかけるヒサリの思いの深さを描きたいと思いました!