異世界転生に全力投球したのに異世界転移なので、リセマラ要求してみた。いや、違うそうじゃない!

@44n74

プロローグもしくはチュートリアル

第1話ー降って湧いた幸運とゆうモノに期待しつつも、一応は努力をするのが良いんじゃないか?

 異世界に憧れた。理由はない…事は無い。けど、せいぜいが「ここが嫌だ。何処かに行きたい」に近い「もっと面白い事ねぇかな?」くらいで、始まっていたと思う。


 そうして、動き出した俺は、バイトして、金を貯めて、一八になったら旅に出ようとしてた。その他には体鍛えたり、よくあるサバイバル方法や、経営、農業、加工いろいろ勉強した。高校までの勉強も、頑張った。後、人助けも頑張った凄く頑張った。


 なのに、


「どうしてこうなった⁉」

 手元のステータスを覗きながら俺は、叫んでいた。


 ―――――――――――――――――――――――――――――――

 いつも通りの朝。


 いつも通りの通学路


 、いつも通りの改札口


 いつもと違った駅のホーム←ここがいけなかった。


 簡単に言えば機材トラブルだ。


 数分前には出ていた筈の新幹線が出ていなかった。


 その為、人が詰まっていた。その中に修学旅行と思われる一団がいた。


 少し離れたところを、さっさと通り過ぎようとしていたら、魔法陣のようなモノが発生した。


 そいつに巻き込まれたと、思われる奴らを俺は、吞気に「異世界転移ガンバ!」とか考えていたんだが、ここで急に調子がおかしくなった。


 きっと、昨日読んでいたネット小説が悪かったのだろう。(?)「いや、コレ巻き込まれると転生できんじゃね?」と、考えていた俺はそっと片足を上げてしまった。後ろから来た、自分の足元から発生したから逃げようとした男に気が付かず、押し込まれる形で気がついたら何とも言えない色合いの世界に居た。


 そして、その場所には、三つの光があった。まぁ、神様だったんだけども。


 その内二つの光が人の形を取り、頭を下げた。背の低い方は普通に、背の高い方は土下座で。


「その、すまなかった」


「すみませんでひた、…かんひゃった…」


 そう言って謝る二柱の神一緒に来ていた光のままの神(?)は


「うん?あぁ、私はこの女神たちの…今は付き添いかな?この後の状況次第だけども」


 そう言って最後の光球は静かになった。その後、全員が黙っていると、背の小さい方の女神が口を開き、説明を始めた。


「このままだと、どうにも分からないと思うから説明をするわ。まず、確認だけれど、あなたはどこまで覚えている?」


 女神様は頭を上げて此方に顔を向けて質問をした。


「あー、魔法陣に巻き込まれた所?」


 すると、やっぱり…。といった顔をして頭を抱えた。


「あの、言い辛いのだけれども、私たちそれぞれが召喚タイミングと、範囲、固定をミスしてしまったの。その結果あなたは、魔法陣に、それも、よって元の世界から離れてしまったの」


 まさかの異世界転生ガチャのダブルブッキング。その発言を聞いた俺は、頭が真っ白になった。

「え、じゃ、じゃあもしかして?」


 その言葉に女神は頷く。


「よっしゃあ!それじゃあ!」


 その俺の反応に女神は怪訝そうに答える。


「え、えぇ」


 こっから先がおかしかったと言うか、アレだったんだよなぁ…。


「「異世界転生出来る!」(転移して貰います。)」


「「え?」」


 そっからちょっと固まった。主に空気。それと、表情。どんなもんか詳細は省くが、それは固まった空気が、腹から震えて動き出す様な表情だった。いや、最初に笑ったのは光球だけども。


 それからしばらく、光球が笑い止むまでけこう掛かった。そして、


「いや~!良いね君!うん。最後まで見て決めようかと思ったけど、良いよ君にだったら、彼女達の尻拭いをしてあげても。」


 と、今のやり取りで処遇が決まったかのような事を言った。


 その言葉に二柱の神が驚いたように顔を跳ね上げ見る。


「ん?何を驚いて…。あぁ、何?私が、君たちの尻拭いを何も無しにしてあげるような優しい存在だとでも思っていたのかな?ハッ!何の冗談だい?そんなわけが無いだろう?こんな事に巻き込まれるんだ、面白い子だろうと思ったから取り敢えず見に来ただけだよ。それに、ここにきて最初に言っただろう?今の所は付き添いにすぎない、と。」


 その言葉に最初の方を思い出す。正直、異世界転生の可否の方に頭がだいぶ割かれてて、思い出すのに少しかかった。うん、確かに言ってたわ。いや、そうじゃない!


「それじゃあ、今から俺がどうなるのか決まるって事!よっしゃあ!これで異世界転生できる!」


 しかし、喜んだのもつかの間だった。光球の方から苦笑いが響く。


「うーん、それに関しては私でもどうしようもないかなぁ…。」


「え?あの、失礼ですが、何だかさっきまでの感じからして、嘘を言わないタイプのような気がするんですけど…。今、やりたくないとかそうゆうのでなくて、っておっしゃった様に聞こえたんですが…?」


「うん言った。その点については彼女達から聞いてよ。」


 そうして話を振られた二柱の神が汗をかく。凄く汗をかく。そうして説明を始めた。


「あ、あのぅですね?すご、すごうく、お伝えしづらいのですが、今あなたは、体と魂、記憶等がバラバラぐちゃぐちゃに二つの世界に転生しようとしています。すぅ、はぁ。すいません。これは、同じタイミングで二つの異世界転生様の魔法陣に乗っていた為です。そ、その為、二つの世界から同時にあなたの事を分解し、召喚しようとする力が働いています。この力が強いので今、異世界転生しようとすればバラバラぐちゃぐちゃになります。補足として、ですが、憑依系統でも、肉体と魂を分けるので、上手くいかないかと。」


「あ、うん、はい?」


 って事は何?俺ってば現在進行形であらびきWハンバーグにリーチなの?


「ついでに言えば、ものすごくつまらないけど、普通に輪廻に入る(仮)なんて選択肢もあるよ?その代わり、来世は地獄で役職付きでずっとお仕事だけども。」


「待て、待て、待て、待て。行く気が無いけどこうゆう場合って天国でゆっくりまったりじゃないの?じゃなくて、ないんですか?」


 何故に地獄でお仕事?


「そりゃあ、ねぇ?今はどこでも人が溢れてるからねぇ。此方としても色んな枠が余っている訳じゃないんだ。特に遊んでられるのはすぐに無くなるし。地獄の職員も最近じゃ、ましな方に上がってきたからね?」


「確かに、以前は休み無しでしたけど、名前が知れている存在や、問題の有る方以外の、主に人間や動物からなった職員の方にお休みを持たれる方が増えましたね」


 え?地獄の職場って休暇無かったの?そんな驚きをよそに脱線は続く。


「そう、そう、それに、やっぱり隠蔽体質とかが無くなると不祥事が出てくるよね?まぁ、長年勤めっぱなしだから、人員の交代とはいかなくとも休暇の一つも出さないと。ヒューマンエラー?だっけ?出しちゃうらしいよ?やっぱり、元々の精神性が別の生物とかだとやっぱり休み無しの職場だと「気が狂いそうになる」なんて意見が上がるようになってさ、それからはずっと同じ意見が上がるんだよね」


 その話を聞いて「絶対行きたくない」と考えていると、


「あ~、そうだね確かに逝きたく無くなる様な話だろうけど、その反面、全く問題無いなんて意見や、「ここが天職です!」とか言いながら上手くなるばっかりの人?もいるんだよ?」


 へー。凄い人もいるんだな…、ん?じゃなくて!


「地獄に行けるって、輪廻って、転生でしょ?だったら行けるんじゃないですか!」


 そう言うと、光球は、「はぁ~、やれやれ、分かって無いなぁ~」とでもいう様な雰囲気で答えた。


「そこはさっき言っていた「カッコかりカッコ」の所なんだけども君をこの場で次の生、この場合は鬼にかな?変えてしまって、地獄へ連れて逝く形だね。ほら、君の世界の生きたまま鬼に成るのとかあるじゃない?ああいうの使って、別のモノになってやり過ごす方法かな?今回の召喚はあくまで人間が対象だからね。それと、鬼になってから転生も駄目だよ。そっちは、君があやふやになっちゃうだろうから。ほら、アイデンティティの喪失とか。おかしな何かになっちゃうとか。」


 それはそれで面白そうだとでも言うように、まるで笑いを堪えるかのように、震えながら言い切った。


「何で異世界転移何ですか!?異世界転生ガチャじゃなくて!」


 そう俺が言っていると、女神様が質問してきた。


「あ、あのう。こう、失礼ですが、何故そこまで異世界転生を?何かあったのですか?私達は、他の世界の過去をそこまで深く見れないので、失礼な話ですが、あまり大きくない出来事は分からないのです。」


 と、質問をされた。


「いや、そんな理由ないですよ?ちょっと憧れたんです。「今の居場所よりいい所が有るんじゃないか?」なって、ただ少し他の人よりアレなだけで。あ、後、こう、区切りがついた感じが良いと思いません?」


 そこにまた、光球が口を挟む。


「ちょっとねぇ?少しねぇ?普通の人はそんな事を夢にしても、目標にはしないし、その感覚と向き合おうと、今の席と向き合う為に、回ろうとしないし、その目標を大往生の後でもなんて生き切った後には置かないと思うけど?」


「いや、だって……。今いる場所で楽しい事も、悲しい事も、感じられるので必要十分では?」


 そう答えると、とうとう光球は人形になって腹を抱えて笑い転げる。光るマネキンみたいな恰好で。そうしてひとしきり笑い終えると、


「ひぃ、はぁ、フハハハ!はぁ、いや~!何とも笑い転げたくなるような鹿だね!満ちて足りるを知っておきながら、その底をぶち抜いた奴。何にも無いとただの一般人なのに、幸か不幸か底抜けだよ!きっとこれは!決めたよ。君は私の世界で引き受ける。さあ!望むなら今だよ?」


「いや、望みとか言われても、今の所浮かぶのは異世界転生くらいで…、あぁ、ホント人生クソ乱数だ。…乱数?あぁ、そうだ!リセマラ出来ません?あの時に戻れれば前か後ろに飛び込めば普通に(?)異世界転生できるじゃないですか!」


 そう言ってこの世(半分どころか全部異世界に行ってるけど)の無常を嘆いていると、湧いてきた起死回生の一手しかし、


 その言葉を聞いてた三者の反応は二つに分かれた。二柱の神が光るマネキン見て、此方に酷く気の毒そうな視線を向けてきた。一方で光るマネキンは、マネキンの口の辺りに三日月の装飾でも付けたんじゃないかって位の笑みで嗤う


 今、止めないとヤバイ


「や、まっ」


 ⁉体が、動かない⁉


「よおぅく分かったよ!君の要望は!これまでの君をいくらか代償にして、使いやすいモノに仕上げてあげよう!な~に、遠慮はいらない。この仕上げるからね!」


 絶対通ってない!要望通って無い!一切こっちの話を聞かずに、決めたろ⁉だって、仕上げって言った。つくるじゃなくて!仕上げって!


「では!私の世界のおすすめの星に送ろう!ユーディアへようこそだよ!あ、着いたら「ステータス」と、唱える事を進めるよ!」


 その言葉を最後に視界が暗転して…。


 それで目が覚めたら…、


「森の中で、服はあるけど持ち物は無し。たぶん容姿に変化はない。やっぱり、転生は無し。現在地は不明、しかも朝焼けなら良いけど、夕焼けの可能性がある空の色。…、仕方無い…。そもそも要望なんて聞いてないし…。ステータス」


 ステータス

 ・名称 藍上 陸

 ー種族 人間(異世界)

 ー性別 男

 ー年齢 一七歳

 ・能力値

 ー力?(1)

 ー守り?(1)

 ー技巧?(1)

 ー速さ?(1)

 ー魔力?(1)

 ー成長限界?(1)

 スキル

 ・一般スキル

 ー

 ・特殊スキル

 -必勝の右手(笑)

  ー詳細▽

 ーバッドラック

  ー詳細▽

 ギフト

 ・加護

 ー創造と悪戯の神の加護(引継ぎボーナス【固定】)※情報隠蔽済み

  ー詳細▽

 ・ギフトスキル

 ーリセマラ(引継ぎボーナス【固定】)※情報隠蔽済み

  ー詳細▽


 


 いやな予感のした俺は、少し震えながら


「詳細は?」


 隣の▽を触る


 ・ギフトスキル

 ーリセマラ

  ー詳細▲

 リセマラのスキル

 死亡又は、任意のタイミングで善行、又は悪行ポイントを使用し自動又は、任意発動ユーディアへ転生した時点へと戻る。

 能力値はランダム割り振りおよび、引継ぎボーナスにより決定

 スキルはランダム付与および、引継ぎボーナスによって決定

 善行ポイント?開示不能(上位権限者による秘匿状態)

 悪行ポイント?開示不能(上位権限者による秘匿状態)

 その他詳細情報?(上位権限者による秘匿状態)


「は?なんだよ…、コレ?(上位権限者による秘匿状態)?ふざけんな!そこが問題なんだろうが!?この文面通りならこんなの異世界転移でも召喚でも転生でも無い」


 終わりも、区切りも、そんな上等な物無い


「異世界ループモノだぞ!?これじゃあ!」


 そして冒頭に戻るって?どう思い返しても…。チクショウこんな事…。あぁ、分かってるよ?俺も悪いとか言われるんだろうけどさ、それでも言いたい。


 「あ~!クソ!どうして、どうしてこうなった!?」

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