第9話

家に帰ってタクにメモを残す。

“タクへ

主人格のハナです。

あなたがリョウの家に泊まった日の朝、あなたは私でした。

リョウには人格が入れ替わったことを伝えていません。

風邪気味といってすぐに帰りました。

次にリョウに会った時は、あなたに恋人ができたことにして、ハナのことを諦めると伝えてください。

私もそうします。”


手紙を書いた後、ハナは絶望していた。

ひねくれた自分にここまで合う人はいなかったから、非常に期待していた。その相手が自分だったのだ。

笑い飛ばすことさえできなかった。

また一つ、恋愛が嫌いになる原因を作ってしまったのだ。


手紙を読んだ後、タクは感動していた。

ひねくれた自分にここまで会う人はいなかったから、非常に期待していた。その相手が自分だったのだ。

笑い飛ばすことしかできなかった。

また一つ、恋愛が嫌いになる原因を作ってしまえたのだ。

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