第8話
ハナは目を覚ますと、知らない場所にいた。
横を見ると、ちょうどリョウが起きた。
「タク、お前なに驚いてんだよ」
「タクって…誰」
化粧をせず、エクステもつけていない自分が鏡に映る。
「ごめん、風邪かもしれないから帰る」
想像もつかないタクの声を真似て、急いでリョウの家を出た。
歩きながらポケットに入っていたスマホを見て、全て理解した。
自分が解離性人格障害であることは分かっていたが、まさかタクが自分だとは思いもしなかった。
ハナの名前は花果、タクの名前は拓也である。
花果と拓也は別々のスマホを持っており、互いのリョウとのトーク画面を見たことがなかった。
互いのあだ名を知らなかったために、また偶然共通の友達をもってしまったためにすれ違いが起きてしまった。
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