第122話 永遠の誓い。

柚月「結構真っ暗だな・・・。」


二度目の夜の海。でも、生温い暖かさと心地よい風が丁度良い。


廉 「柚月!」

柚月「あ、いた!」

廉 「海辺、散歩しようぜ。」


すんなり廉と合流出来たあたしは、廉に差し出された手を取り、夜の砂浜をゆっくり散歩。


柚月「沖縄デートみたいだね(笑)」

廉 「卒業したら、今度は二人で来ようぜ。」

柚月「卒業かぁ・・・、あっという間に来そうだね。」

廉 「卒業したら、同棲しない? 」


廉の言葉に思わず固まるあたし。

『同棲』

考えた事も無かった提案に、ゆっくりと頷く事しか出来なかった。


廉 「え、嫌だった!?」

柚月「ううん!廉の口から『同棲』なんて言葉が出てくるなんて思わなかったからビックリしただけ。」

廉 「一応、こんな俺でも色々と考えてんだよ。」

柚月「ありがとう。嬉しい・・・。」

廉 「あ、あともう一つ。」


廉が立ち止まり、あたしの右手を手に取った。


柚月「何?」

廉 「今日、見つけたんだ。」


あたしの右手の薬指にはめられた少しだけ大きめなシルバーリング。


柚月「え!?指輪!?」

廉 「お揃いで買ったんだ。だから、俺のは柚月がつけて。」

柚月「う、うん。」


今度はあたしの番。

廉の右手を取り、薬指にゆっくりと指輪をはめていく。


廉 「柚月のサイズ、分かんなくてさ。ごめん。」

柚月「ううん!凄く嬉しいっ!!廉、ありがとう!!」

廉 「左手の薬指に切り替わるまで、それで我慢して下さい。」

柚月「ずっとつけてます!お揃いだもんね!!」

廉 「うん、お揃い。」


沖縄の夜の海で交わした指輪交換。

今は『彼氏と彼女』の関係だけど、いつかきっと『新郎と新婦』になれる日を夢見て・・・。

一生忘れられない、素敵な想い出を廉はあたしにサプライズしてくれた。


廉 「ずっと肌身離さずつけてろよ!」

柚月「勿論!学校でもつけてるよ。」

廉 「この指輪は、お守りだから。」

柚月「お守り?」

廉 「そう。いつも俺が側にいるっていう意味のお守り。」

柚月「じゃぁ、お互い常に一緒だね!!」

廉 「うん、この先もずっとな。」


まだまだ未熟なあたし達だけど、一緒に時を重ねて行こう。

未来に何があたし達をまっているか、だれにも分からない。

それでも、一歩ずつ前に進んで行こう。


どんな時も、お互いを想い合って生きていこう。


そう、誓い合った高校二年生の夏の夜。

とても幸せで、笑顔が勝手に溢れ出て・・・。

これ以上の幸せを求めたら罰が当たってしまいそうな気がする程、心も穏やかで。


廉 「ずっとずっとずーっと、変わらず好きでいる事を誓います。」

柚月「あたしも、何があっても廉を想い続ける事をこの場で誓います。」


このまま時が止まって欲しい。

そう思えた修学旅行はあっという間に終わりを迎え、季節は12月、『今年こそは二人だけのクリスマスを。』

あたしは廉にクリスマスプレゼントを購入する為、まこと街へ繰り出した。










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