第111話 恋から愛に変わる時。
廉 「ただいまー」
結芽「こらぁ!連絡もせずにどこほっつき歩いてた・・・」
柚月「こんばんは。お邪魔・・・ですかね?」
結芽「あ、そういう事ね。なら良し!!」
廉 「絶対勘違いしてんだろ。」
沢山遊び疲れたあたしと廉は、蓄積されていた疲労がドッと出たのかグッタリでリビングのソファーへとなだれこんだ。
結芽「そんなに疲れるまで・・・。若いのねぇ。」
柚月「大きな勘違いされてます(笑)」
廉 「柚月、一緒に昼寝しよーぜ。」
結芽「えぇ!?もの足りず、我が家でも!?」
廉 「とにかく部屋行くぞ。」
柚月「あ、あの、結芽さん。誤解ですからね!」
結芽「多少うるさくても気にしないから!ごゆっくり!!」
廉 「柚月、暫くほっとけ(笑)行くぞ。」
テンションMAXの結芽さんをリビングに残し、あたしは廉の部屋へと向かう。
廉 「柚月、飯食ってけば?」
柚月「いいの!?」
廉 「だから、それまで一緒に寝ようぜ。」
部屋に入り、廉がベッドにダイブした。そして、手招きされたあたしも廉と同様ベッドへダイブしてみた。
廉 「秒で寝れそう。」
柚月「あたしも。」
廉 「・・・腕枕、してみます?」
柚月「されてみたいです。」
少しずつ少しずつ、あたし達の距離が近付いて行く。
それは、緊張じゃなく安心感の方が圧倒的に勝っていて・・・あたしは廉に腕枕をされた後、すぐに夢の世界へと入ってしまった。
時折、額に温かい感触を感じて目が覚めた時もあったが、それされも心地良く感じ、あたしは廉の首に手を回し、更に深い眠りへと突入した。
柚月「・・・あ、爆睡しちゃった。」
廉 「すげーイビキ(笑)」
柚月「えっ!?廉起きてたの!?」
廉 「俺も少し寝たよ。でも、イビキで起きた(笑)」
柚月「ごっ、ごめん!!」
あたしがベッドから飛び起きようとすると、廉があたしの腕を掴み、再び廉の腕枕へと頭を押し付けられた。
廉 「幸せだからこのままでいたいの!!」
柚月「腕、痺れてない?大丈夫!?」
廉 「全然。柚月の寝顔見て疲れ取れた。」
そう言った廉は、あたしが夢の中で感じた額の温もりと同じ感覚・・・、ギューっと抱き締めてくれた後、額にキスをした。
廉 「今年は花火大会、一緒に行こうな。」
柚月「うん!」
廉 「一緒に花火見て、かき氷食べて・・・」
柚月「一緒に笑い合って、ずーっと廉の側にいるの。」
廉 「楽しみだ。」
柚月「あたしも!!」
二人で額をぶつけ合いながら交互に軽いキスをし合う。
それ以上の進展が無くたって、充分お互いの気持ちを確認出来る。
花火大会までもうすぐ。
嬉しいと感じる半面、切なさが頭をよぎる。
『譲さん』
出逢ってから一年が経過するのだと染々と感じ、そしてもう二度と会えない現実に悲しさが襲い・・・
廉 「どうした?」
柚月「ううん。ギューってしたいだけ。」
廉 「・・・譲さん、だろ?」
柚月「どうして分かったの?」
廉 「それだけ、影響力のある人だったから。」
柚月「ごめんね、雰囲気壊しちゃって。」
廉 「逆に忘れちゃいけない事だ。いいんだよ。」
譲さん、そっちの世界で元気に過ごしてますか?
あたしは今・・・とても幸せです。
そして、花火大会当日。
あたし達四人は笑顔で会場に集まった。
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