第4話 到来

まこ「柚月おはよう!」

柚月「まこ、おはよう」

廉 「んじゃな、柚月」

柚月「うん」

まこ「ねぇねぇ、柚月と廉君って付き合ってるの?」

柚月「まさかっ!!ないない!有り得ない!」

まこ「だって、いつも一緒だし、廉君って柚月以外の女子と会話してるの殆ど見た事ないし」

柚月「女は面倒臭いらしいよ。理由は知らないけど」

まこ「案外、廉君は柚月の事好きなのかもよ?」

柚月「無い無い!!有り得ない!!腐れ縁過ぎてお互いに無い!!」

まこ「そうかなぁ?まぁ、要観察って所かな(笑)あ、そういえば今日から歴史の先生変わるんでしょ?」

柚月「あぁ、今の先生産休に入るんだっけ?」

まこ「どんな先生が来るんだろうね」

柚月「バーコードじゃなければ誰でもいいかな」


今日もきっと、楽しい日で終わる。

そう思っていた。

でも、あたしは生まれて初めて恋の感電を体験する事となった。


まこ「柚月、廊下見て!」

柚月「へ?何で?」

まこ「いいから!!」


まこに言われるがまま、あたしは授業開始のチャイムと同時に廊下を覗いた。


柚月「見た」

まこ「見たじゃなくて!歴史の新しい先生、あの人じゃない?」

柚月「え?どれどれ・・・。」


確かに、廊下には二人の人影。

一人は見慣れた歴史の担任。そして、その横に並ぶようにもう一人。

何やら紙を眺めながらブツブツと呟いている男の人がいた。


まこ「そこまで若くは無いけど、中々のイケメンじゃない?」

柚月「なんかチャラチャラしてそうな人だね」


歴史担当の先生が教室に入り、来月から産休に入る事が生徒全員に告げられた。

そして、それと共に廊下にいた男の人が先生の指示のもと、教室の中へと入り、教壇の上に立った。


桂太「皆さん、初めまして。本日より歴史の担任をもたせて頂く事になりました中山桂太です。楽しく授業をしていけたらと思っています。どうそ宜しくお願い致します」


いかにも、昨夜黒染めしました感が満載の、違和感ありまくりな真っ黒い髪の色。

爽やかなスマイルを放つ度、桂太先生の背後から花びらが飛んできそうな属性を持っていた。


まこ「どう?」

柚月「あたし、花粉症なんです」

まこ「何言ってんの?(笑)スタイルもいいし、爽やかだし。これはモテるな」

柚月「まぁ、でも先生だからね。ほら、左手の薬指に指輪してるよ。結婚してるんだよ」

まこ「禁断の恋じゃん!!」

柚月「漫画の見過ぎです」

廉 「あーっ!!!」


突然、教室中に廉の叫び声がこだました。

驚いて廉の方を見ると、廉は椅子から立ち上がり桂太先生を指差している。


廉 「桂太君じゃん!」

柚月「桂太・・・君!?」


驚いている廉をよそに、桂太先生は一瞬ニヤリとしながら授業を進め始めた。

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