第2話 自己主張

 「なぁ、少し話あるから下に来てくれ」

 

 俺は短くゆいかと雪に言った。


 下で椅子に座っていると2人が来た


 「おにぃ、どったのー?」

 と、ゆいかが言うと雪も『うんうん』と言いながら首を振っている。


 「単刀直入言うぞ!

   ゆいかと雪が色々俺のためを思ってしてくれている事は素直に嬉しい。というか凄くありがたい。」


 「でもな、俺も高校生だ。だから、昔みたいに自分の事は自分でしたい。ど、どうだ?」


 俺は何を言われるかが怖くて2人の顔を見れなかった。

 

 すると、ゆいかが悲しそうな顔をしながら、

 「うん」とだけ言った。

 

 『これはいいって事なのかな?』そんな疑問を持ちながら黙り込んでいた。

 

 それから誰も言葉を出さなかった。『気まずい』


 そんな時重い空気が雪の声で変えられた。


 「私はやだです。そうでないとお兄さんはまた昔のようになってしまいます。それだけは耐えられません!」少し怒ったようなでも、悲しそうな声だった。


 「そんなことを俺なんかに言ってくれて嬉しい。でも、そうしないとダメだと思うんだ。ごめんな」


 俺がそれを言ったのに対し2人は何も言わず、自分の部屋で帰っていった。


 「正直辛いなぁ、あんな悲しそうな2人の顔は見たくなかった」


 でも、これが俺の、俺にできる唯一の罪滅ぼしだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

邪魔されたくない俺は今日も1人、のはず、、、、 カエデ @yojitsu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ