第2話 クラス分け

入学式が無事終わり、クラス分けの掲示板を神に祈るかのように見ていた。

(どうかどうか同じクラスでありますように。というか同じクラスにならないと第2の作戦もその次の作戦も実行できないって何故入学前に気付かなかった、1ヶ月前の計画を練ってたアホ間抜けあんぽんたん僕)

1組から6組までのクラスで分けられるため同じになる確率は6分の1となる。

(初恋の人だし運命補正で多分ここは、同じクラスになる。ここで今までの運を使い果たせ。行けるぞ九条雅也。)

恐る恐る掲示板を見上げた。

『1組13番九条雅也』

『6組8番神崎玲奈』


(あ............どうやら神様は僕を見捨てたらしい)


☆☆☆


萎れた顔で、1組に入り自分の席に座る。先生はまだ来ておらず、騒いでる生徒はごくわずかだかほとんどは静かにしていた。


「あの方、さっきの新入生代表の人だよ~!話しかけてきなって~」


「絶対にモデルとか芸能活動してるって。レベル高すぎて絶対に無理無理!!」


「でも絶対に狙うやつとんでもないくらいいるよ?」

鋭い視線が数々向けられるが正直今はそれに反応すらできていない無の境地にいる。

(こうなったら、いっそ強引に放課後話しかけて見るか......いや、向こうは僕のことを覚えてないから不審に思うよなぁ....でも早めに話しかけないと...

とりあえず家にすぐ帰って作戦立てるしかないよなぁ...でも1ヶ月考えて4個しか出てこなかったのに1日でそれが埋まるとも考えにくい....)


などと考え事をしているうちに、自己紹介は僕の番を迎えていた。

「次~、えーと、九条くん、 九条く~ん~??」


「は、はい!!今年からここの地域に引っ越して来ました。 神ざ....じゃなくて九条雅也です。引っ越して間もないので緊張していますが、宜しくお願いします」

(や、やばい。何元カノの名前を自己紹介で話そうとしてるんだ。落ち着け。家でいくらでも考える時間はある。今は学校に集中しよう。)


心臓が飛び出るような経験を1日で数回したが無事に1日が終わった。

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(仮)初恋を忘れらないラブコメ りるっ @Lillxxzz

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