虜
「真綾ちゃん!」
「咲也くん?」
「ほら!ご飯行こ!」
「あっ、うんっ!」
いつもの場所でお弁当を広げる。
「じゃ〜ん!今日は唐揚げ作ってきました〜!」
「唐揚げいっぱいあるね?」
「うん!!これ、弁当と別で作ってきたんだよ!この前、もう1回作って欲しいって言ってたから!一緒に食べよ?」
「私のために…?」
「うん!真綾ちゃんが喜んでくれたら嬉しいって思って!」
ここ最近、私は落ち込むことが多くて、咲也くんが聞いてくれたりしてくれたけど、やっぱりスッキリしなくて。そんな気持ちで過ごしていたら、すぐ気付く咲也くんは、唐揚げを作ってきてくれた。
「ありがと…咲也くん。」
そう言って、唐揚げを口に入れる。
大好きな味がして、噛めば噛むほど、なんでかは分からないけど涙が出てきた。
そっと、背中をさすってくれる。
「おいしい…っ、」
「そう?よかった、元気になれそう…?」
「うん…っ!」
「あははっ、笑ってくれた〜!!よかった〜!!」
「咲也くんのおかげだよっ、」
咲也くんの唐揚げはいつもより美味しく感じて。
私は、今日、しっかり咲也くんに伝えようと思ったんだ。
飲み込んで、深呼吸する。
「真綾ちゃん、どうしたの??」
「咲也くん、私ね…?」
「ん?」
「咲也くんと居る時間が、すごく幸せ。」
「僕もね、真綾ちゃんと居る時間が幸せなんだ。嫌なことあっても、真綾ちゃんに会うと忘れちゃうくらい、幸せに感じる!」
「嬉しいっ、いつもいつもありがとう!」
咲也くんは恥ずかしそうに笑って。
「真綾ちゃんとの時間がずっと続けば良いのにな…。ねぇ真綾ちゃん?」
「…ん?」
「僕ね、真綾ちゃんの虜になっちゃったみたい、」
「へ…??」
「だから、もし真綾ちゃんが良かったら……」
咲也くんは、しっかりと私の目を見て………
僕と付き合ってください!!
もちろん答えは…………。
「うんっ!咲也くんがいいっ!私が咲也くんの事もっともっと幸せにしてあげる!だからよろしくお願いします!」
「やったあ!!!!僕も、真綾ちゃんの事、もっともっと幸せにしてあげる!いっぱいいっぱい笑顔にしてあげる!」
ぱあぁっと花が咲いたような笑顔で、ぎゅうっと抱きしめられた。
「あ、ということは…今度は遊ぶ、じゃなくて、デート、だね?」
って恥ずかしそうに、ニコニコしながら言う君に、もっともっと惹かれていきそうです。
宝石みたいな。 まる @maru_33726
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