仲のいい男の子に恋愛感情を抱く少女の、もう心臓が爆発しそうなめくるめく恋の日々。
恋愛ものです。というかもう、恋。剥き身の恋そのもの。甘酸っぱいわ胸キュンだわ、もうハッピーエンドっていうかエンドに限らず全編ハッピーです。
一点突破というか一芸特化というか、やりたいこと・やるべきこと・見せたいものがすべて完全にひとつの答えでできている、そういう迫力を感じました。目的(主軸)がわかりやすくぶれないお話というのは、読んでいる側も物語に乗り込みやすいのは間違いなくて、そのぶん有利というか話の早い面がありますね。実際、すぐ乗れました。読み始めて数行でもう脳が恋愛モードに。
特筆すべきはやっぱりハッピー感。どこまでも幸せを描いているところが本作最大の魅力だと思います。もちろん思い悩んだり不安になったりする場面もないことはないのですが、でも有り余るいちゃラブパワーで全部吹き飛んでしまうというか、恋のポジティブな面が文字を通してバリバリ伝わってくる。
いや勢い「いちゃラブ」とか書きましたけど、このお話のふたりは一応、まだ恋人同士ではない状態なんです。なのに、それでも、このいちゃいちゃ感。もともと仲のいいふたりだから、というのもあるのですけれど、でもそれ以上に主人公が想いを寄せる彼、咲也くんのキャラクター性ゆえのことだと思います。
タイトル通り、『宝石みたいな』性格の持ち主。いや性格というよりは性質というイメージですけど、とにかくいつもキラキラ眩しくて、そして笑顔がよく似合う。お話のモチーフというかテーマというか、『宝石みたいな』という要素がしっかり軸になっているから、お話全体が明るくて楽しい雰囲気になる。
こういう前向きで幸せな話というのは、やっぱり無条件にいいものです。読むのに胃腸の心配をしなくて済むというか、しんどいときでも読めるので(暗い話や重い話はつらいときもある)。といって、じゃあまったく体力を使わないかというともちろんそんなことはなく、そのぶん思う存分もだえる胸キュン要素が満載なわけですけれど。
堪能しました。タグにもある「ハッピーエンド」目掛けて一直線の、極太の恋愛物語でした。ふたりの青春っぷりというか、初々しさと若々しい感じが可愛らしかったです。