ミルクと砂糖

旗 ユウ

ミルクと砂糖

ここは、とある喫茶店。

こじんまりとした店内には穏やかな音楽が流れる。


木目の美しいテーブルの上には、コーヒーが一杯。

そしてカップに添えられたミルクとシュガー。

優雅なひととき...


ミルク「はぁ~あ」

シュガー「どうしたの?」


ミルク「なんであたしとあんたって違うんだろね」

シュガー「えっ?...どういうこと?」

ミルク「!あたしとあんたじゃ世間からの扱われ方が違うの!」

シュガー「え~?そうかなぁ~?」


ミルク「違うから!じゃ、今から言うこと想像して?」

シュガー「わ、わかった」

ミルク「あなたはコンビニに入りました。レジに行き、コーヒーを頼みます。」

シュガー「うん」

ミルク「すると店員は出来たコーヒーを渡しながらこう言うでしょう。『ミルクとお砂糖お付けしますか?』」


シュガー「うん。言うね」

ミルク「これよ!どう考えてもおかしいでしょ!」

シュガー「え...どこが...?」

ミルク「はぁ~。なんであたしは『ミルク』なのに、あんたは『“お”砂糖』なのよってこと!」


シュガー「あ、あ~、そういうこと...」

ミルク「コーヒーが主役で、あたしたちは脇役、いや付属品なの!その付属品同士で優劣をつけるのはナンセンスじゃない⁉」

シュガー「別にそういうことじゃないと思うんだけど...まぁでも、たしかになんでだろうね?」

ミルク「あたしがこの風潮に終止符を打つ!ミルク界と砂糖界の格差社会を変えてみせる‼」

シュガー「あはは、なんか話が大きくなってきたなぁ...」

ミルク「そしてミルクと砂糖が平等に愛される世界を、あたしはっ...」


おもむろに持ち上げられたミルクはそのまま、コーヒーに注がれた。

間髪入れずにシュガーも入れられる。


穏やかな音楽とともに、まろやかで少し甘くなったコーヒーの香りがこじんまりとした店内に広がり始める。

変わらない日常。

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ミルクと砂糖 旗 ユウ @flag-you

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