「それでは、監察の政治家転身を祝して、乾杯」


 グラスのぶつかる、音。


「どうもどうも。県警の華あらため、県議会の華です。三ヶ月くらい県議会の掃除をしたら、また県警に戻りますので」


「くそ上司っ」


「金の亡者っ」


「うるさいっ。権力濫用して警察やめさせるわよっ」


 扉の開く音。


「こんにちわぁ」


「あっ」


「おっと」


「いやいやいや。聖霊ちゃん。はだかはまずいってば」


「ん、誰にも見られてないよ?」


「そっか。まあ、それならなんとか、なるか」


「いやおかしいだろそれは」


「はい。かんさつさん。せいじか、だっけか。おめでとうございます。ぷれぜんと」


「うわあ、ありがとう。なにこれ?」


「おはなっ」


「華だな」


「華を理解できない監察」


「うっさいわね」


「ビールです」


「あっ」


「えっ誰ですかこのかた。全裸」


「あなた。わたしと同じ匂いがする」


「メイナードヘックスと、聖霊が?」


「だいすきっ」


「うわっ。あっ軽い」


「戌子とアルさんは?」


「戌子が爆睡してて、それをアルさんが二階まで運んでたよ」


「メイナードヘックス、っていうの。はじめまして。かお、まっかだよ?」


「あっいえ。なんでもないです」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

幻獣 春嵐 @aiot3110

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ