メビウスの輪は、縦半分で切ると長い一本の輪になり、三分の一で切ると二つの輪に分かれます。交わることなく、かといって離れることもできない二つの輪――その、新しくできた狭いメビウスの輪のような世界観をこの作品の中に感じます。遠い未来の、少し歪な世界の上を、地の果てを求めて駆けた子供。大人になって、さらに続く、果てなき夢の物語。なぜ彼らの世界には、地平線が存在しないのか。