第2話 K太郎とはなんぞや(2)
夏が終わった。
秋が深まったM市は15時30分ともなればどこか薄暗い。
本日の休みが終われば、明日もまた仕事だ。
「いやだ」
口に出てしまった。
K太郎思わず歩きながら口に出してしまった。
デケェ独り言を言ってしまった。
すれ違うカップルが「何こいつ?」というような目でK太郎を見た。
そう!K太郎はこの独り言が悪い意味で得意技であり、必殺技なのだ。
K太郎に友達が非常に少ないのも、この独り言の効果なのだ。
「なんだよう」
再び口に出し、そして気を取り直したK太郎は改めてズンズンと歩き続ける。
スマホの時計を見ると、15時50分。
居酒屋の開く17時まであと一時間と少し…どこかのATMでお金を下ろし、最寄りの本屋で立ち読みをすればあっという間に過ぎ去る時間帯だ。
街路樹の根元にある草の中から、少々早いがコロコロとコオロギの鳴き声が聞こえてくるのだった。
〜続く〜
大丈夫じゃないやつ 〜K太郎の大冒険…局地的なやつ〜 @kyudo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。大丈夫じゃないやつ 〜K太郎の大冒険…局地的なやつ〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます