現代②

 前山さん、元気にしちょんやろうか。

 あの日、私も彼に幼少時代の話を涙ながら打ち明けた。ようやく辛い記憶を共有できる相手が見つかったことが嬉しかった。私たちは、楽しい子供時代を奪われたやるせなさを、少しは捨てることが出来ただろうか。


 孫たちが庭で遊ぶ声を聞きながら、台所で作業を続ける。


 かぼちゃと小豆の煮物。

 かぼちゃコロッケ。

 かぼちゃの天ぷら。

 かぼちゃのポタージュ。

 かぼちゃプリン。


 どれも孫たちが喜ぶに違いない。美味しいと言ってくれるかしら?

「かぼちゃの甘みは♪天の恵み♪皆大好き♪かぼちゃの黄色♪」

「かぼちゃや!かぼちゃ!あたしかぼちゃ好きー!」

 台所で歌っていると、いつのまにか屋内に戻っていた孫たちが集まってきた。

「おばあちゃん、その歌何?」

「今作ったかぼちゃの歌♪」

「変なのー」

「ばば臭い!」

「まっ失礼ね!さあっ、完成完成!」

  出来上がった料理をテーブルに並べる。孫たちはもう大騒ぎ。

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