第5話

32

一方その頃瑠衣と雨優はレジでの会計を済ませて玄関口で別れの挨拶を交わしていた。

「今日は会えて嬉しかった!」

「本当久しぶりに会えて楽しかったよ〜!」

「あの‥さ?」

「ん???」

「今度良かったら飯でもどう?」

「いいね!あっ、でも連絡先変わってるかも‥。どうしよう。」

瑠衣は今仕事中でスマートフォンを持っていない。しかし何年も連絡を取っていない故に数年前と雨優の連絡先が変わっている可能性があるのだ。

「それなら、電話番号教えて!後でlimeに登録しとく!」

「ありがとう〜!」

雨優は今このスマートフォン社会で連絡ツールとしては必須のSNSに登録しておくと伝えた。

「じゃあまた連絡するから〜!」

「うん!今日は本当にありがとう!またね!」

瑠衣はお辞儀をして、風は大きく手を振って別れた。

「賑やかな時間でしたね。」

ふと振り返るとまた風が背後に立っていた。

表情は笑っているが目がどことなく笑ってない様な気がする。

「は、はい!栗花落さん今日はお元気そうですね。」

「僕はいつも元気ですよ。小戸森さんの方がご友人に会ってお元気そうですよ。」

「そ、そうですか??」

「ええ、とっっても!」

「さあ、仕事に戻りましょう。小戸森さんがご友人と話している間に色々溜まってますので。」

「はっ、はい!!!」

不安な気持ちを残したまま瑠衣は店内へ入っていき、そのまま風の言った通り慌ただしく残りの勤務時間が過ぎていった。

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ストレリチア @kayuu773

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