短歌6

アセチレン・ランプ浮かぶ三角小屋 我を生まざる母瓶に詰められ


桟橋の火をぞ歩まむ老婆群や絶えゆく稚児の首の奉納


黒鳥を絞め殺す職に就いてをりその羽色を誰も存ぜぬ


酸性の土にあらずも花は枯れ真下広がる昆虫図を描く


埃及誌に叫べ断食僧ファキイルその屍軀完全密室血をな零しそ


ビニールの紐たくさん舞う畑三人みたり揃って土を頬張る


ローポリの敗荷やれはす.stl蘇らせよ有限要素法


屋上にて方鉛鉱が混じりつつ鉱石ラジオとなる血管の束


非質量界に浮かびし球軆を恐れる女を崇める宗教


紅雀全て水浴するに足る金剛石を割るための部屋






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短歌 ミヤマ @miyama_book

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