自分の眼鏡のレンズの色を自覚させられる作品です

読み手によって、まったく別の感想を持つ作品だと思います。
ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、
怖いのか、悲しいのか、懐かしいのか、やるせないのか、残酷なのか、面白いのか、腹立たしいのか、くすぐったいのか、希望を見るのか絶望するのか、新しいのか、古い価値観だと思うのか、幻想や虚構だと思うのか、真実そのものだと感じるのか、あるいはもっと違う感想を持つのか。

誰の立場で、普段自分がどんなことを考えていて(あるいは考えていなくて)、どういう風に世界を見ているのか見ていないのか、赦せるか赦せないのか、その読者に委ねられていると言っていいと思います。

レビューでこんなことを言うべきではないのかもしれませんが、人によっては劇薬になり得ます。覚悟して読むことをおすすめします。
でも間違いなく、覚悟を固める価値のある作品だと思います。