全ての日々を冷静に。滞りなく。

&α 混沌こそ全て.

「かえってまいりましたあ」

「エレナ&サレーナぁ」

「うわ来たよ。もうやだ。起きたくない」

「第6時大陸間戦争。マナチェーン。子供の悲鳴っ。今回は、すごいっ」

「ただいま鈴也。ぐっすり寝れた？」

「全然。エレナ。ほんとにもう、勘弁してよ」

「なんでよ。いいじゃない。家もあなたの描いたものもなくなってしまったけど、おかげで今があるのよ？」

「わけのわからないファンタジーまみれの、謎の刊行物がね。そして僕は、寝れない」

「今回はね、すごいのよ。もうなんか、魔法の力がほとばしってね、すごい、こう、ばばばってなるの」

「ザビエルっ。マッサロのシンボルっ」

「もういやだよ。なんでそんな、僕たちの家を燃やしたひとと、そんな、仲良くなれるんだよ」

「みんな、みんな、ファンタジーで狂いたいのよ。わたしも同じ。あなたもでしょ？」

「僕はきみとえっちなことができれば、それでよかったのに」

「なんでそう、鈴也は隠したがりなの。そうやってもぞもぞしてないで、いつでも抱きなさいよ私を」

「いやだよ。僕の家を燃やしたひとがいるんだよ。目の前に」

「この人も抱く？」

「セレナです。メイクラヴ？」

「失礼しますよ、と。うわ、ファンタジーものの刊行場所のくせにすごい地味な部屋だなあ」

「うわもう来ないでよ。誰ですかあなたは」

「レベッカ。御歳128億の現役魔法少女ですが」

「うわあもういやだよ。いやだ。もうしにたい」

「わかるよ。よくわかる。ファンタジーってのは、分からん人間にはとことん分からんよな」

「魔法少女に諭されてる僕がもう、分からない」

「大丈夫大丈夫。いま思考回路をぶっこわしてやるから。ほれ」