第7話 【思わぬ金言】異文化交流って素晴らしい

今までのあらすじ

 コロナ禍で旅、食のライターの求人が中止することが多い中、『コロナ期間限定になるかもしれないけど』、自分達のウェブマガジンを立ち上げようとする主人公達。

 突然編集長になった主人公TOSHI(女性)は、新しいマガジンのコンセプトである「食と旅」に、「ギャグ」をプラスしてはどうか、と会議で提案するが、全員に拒否される。ちなみに今まで、友達と知りあい全員に拒否されている。

 しかし、会議ではB子さんの金言も飛び出し、意義あるものになった。(以下本文続き)

――――――――

 そんな風に、誰からも否定されてきた「食と旅」+「ギャグ」案で、私もなかばあきらめていたのですが、思わぬところから、新たなアドバイス、金言がまた飛び出しました。


 私はずっと英会話を習っています。今はオンラインでレッスンをしています。雑談でこの話をすると、アメリカ人の先生が、

「それで、あなたはどうしたいのですか」

 と訊きました。

 

「いいアイデアだと思うのですが……、友達や知りあいも含めて、家族にまで、今まで、すべての人に否定され、自分はやはり間違っているのか、と悩んでいます」


 そうしたら、先生が、私にはまったく思いつかないアドバイスをくれたのです。これは今はいえないのですが、目からウロコが落ちるというのはこのことです。


「私の意見に賛成してくださった人は初めてです。これは有利になるかもしれない。……私一人のマガジンではないので、結果は分かりませんが、きっと皆さんと有意義な議論ができることでしょう。どうも、本当にありがとうございます」


「有利になれそうですか?よかった!もう一度、トライしなさい」


 カラッとした笑顔で先生は言いました。


 私もそうなんですけれど、日本で、意見を交換する、議論する機会ってなかなかないですよね。先輩や目上の人の顔を立てた方がいい、立てた方が有意義な時間になることもありますし。

 ただ、その先生の言葉と、明るい笑顔を見て、異文化とは凄いものだ、異文化交流は素晴らしい、と再認識しました。思いつかないようないい案が出る場合もある。行き詰まった時に、光が見えることだってあるかもしれない。

 

 B子さんはデビュー原稿をもう書いてくださったようです。プレッシャーの方が大きかったけれど、だんだん楽しみになってきました。(続く)

※この話はフィクションです

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