第48話 苦い薬はよく効く薬だ(4)
プアールは次々とカゴから荷物を取り出すと、優子の前に並べていく
ブリーフ30枚セット
megazonオリジナル洗顔セット
megazonオリジナル化粧水
megazonオリジナル保湿クリーム
megazonオリジナル日焼け止めクリーム
バストアップ真空ポンプカップ
バストアップサプリ120日分
バストアップ用ストレッチポール
「ちょっと優子さん! これ何ですか! 全部関係ない物ばかりじゃないですか!」
「何言っているのよ! スクールバックが使えない今、必需品よ! 必需品! いつ買えるか分からないんだから、今のうちに買っとかないといけないでしょ!」
「こんなことしているから、ネットの接続時間がぎりぎりなんですよ!」
「いいじゃない。ちゃんと購入できたんだから」
「もういいです……こちらに受取のサインをお願いします」
「はいはい……ところで、プアール、あんた、アイちゃんにぶつかった時、何しに来たの? あの時はまだ注文してなかったでしょ」
「そうでした! そうでした! 今回来たのはそれが目的だったんです」
受取書を大切にポシェットの中にしまうプアールの頭に、またもやアイちゃんがガシガシと噛みついていた。
「一体何なのよ? 大体プアールが来ると、ろくなことが起きない気がする。実際にアイちゃんゾンビになったし……」
「いや……これは、私のせいじゃないですし……えっとですね。次の町のパイオハザーで『女神と転生』のサブイベントがあるんですよ。それを優勝すると大量の経験値と報酬がゲットできます」
「そんなことを言うためにわざわざ……?」
「いえ、これは、担当女神と協力するタイプのイベントで、優勝すると私たち女神にもボーナスが出るんです!」
目が円マークに変わっている。
ははぁんそれが目的ね。
「でも、私、それに参加するって決めたわけじゃないわよ?」
「何言っているんですか!レベル1の優子さんが、一気にレベルアップするチャンスですよ!」
「大丈夫よ! 私の近くには大量経験値の塊がいるんだから、いざとなったらそいつをゴツンと!」
ゴツン!
優子の頭にげんこつが落ちた
いたぁァァい!
「誰にゴツンだ?」
優子の後ろにヤドンが立っていた。そしてもれなくムンネも引っ付いている。
「ヤドン! あんた隣町のパイオハザーに逃げたんじゃないの!」
「いや、待っててもお前がいつまでたっても来ないから、宿代も払えないしな。だから迎えに来た」
「そんなの自分で払いなさいよ!」
「だって、俺の金は俺のものだろ。なんで使わないといけないんだよ」
「自分の宿代でしょ!」
「それより、さっきの話面白そうだな、もうちょっと聞かせろよ」
興味を持ちましたね! プアールがにやりと笑う。
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